信頼を選ぶ。オーガニックコスメを安心して購入できる推奨品マーク「JOCA」


2001年から化粧品には、全成分の表示が義務付けられました。ボトルやパッケージの裏には、小さな文字で印刷された成分表示がありますが、読みにくく化学的な知識も必要です。全成分が読めなくても、オーガニックやナチュラル、無添加と謳っている化粧品は安心と思って買ってしまうこともあるのではないでしょうか。

農薬や化学肥料、食品添加物などの情報は知られるようになりましたが、肌から直接吸収される化粧品の化学物質の経皮吸収は、それほど問題視されていないようです。肌から吸収された化学物質は、ほとんどが長い間体内に残ったままになります。化学物質がどの程度、影響を与えるのか、個人差はありますが、肌のトラブル以外にも、身体にとっても良くない影響の可能性が高いものです。

化粧品の成分表示の目的は「消費者が選びやすくするため」ですが、使って良い成分は1万種類以上あるそうです。全成分を見て、合成化学成分を見分けるのは消費者には難しいのが現状です。

 

世界一厳しい基準で作られたコスメを推奨するJOCAマーク

そこで、新たに出てきたのが、消費量者の目線にたって作られた「JOCA」という推奨品マークです。「JOCA」という推奨品マークは、ナチュラル原料やオーガニック原料で作られた、天然成分100%のコスメだけに付けられるものです。そのマークを作った「日本オーガニックコスメ協会」代表の水上洋子さんに、オーガニックコスメの現状や課題などお話しをうかがってみました。

オーガニックライフスタイルEXPO会場にて、代表の水上洋子が講演

筆者が使っている基礎化粧品は、自然食品店で購入したもの。成分表示を見るとフェノキシエタノールという、パラベンと同様の不安がある防腐剤が入っていました。自然化粧品としては知名度もあり、オーガニックコスメ専門店でも販売されている商品です。なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。

一つひとつ成分がわかる消費者も少ないですが、バイヤーも同様です。メーカーがオーガニック、ナチュラルコスメ、と言えばそのまま仕入れてしまうこともあるようです。たとえば、アルファベットや数字の表示がある成分名は石油原料ですが、現在のところ、そうした基本的なことがわかるバイヤーもほとんどいません。

JOCAの考えるオーガニックコスメとは、石油由来の成分や合成成分は使用せず、防腐剤、界面活性剤、植物などの有効成分を作る時に漬け込んで抽出する溶剤まで、すべて天然成分であることです。」

消費者がひと目みて分かる、安心で安全なオーガニックコスメ。その目安としてあるのが、世界基準の中でも最も厳しいJOCA推奨品マークです。

 

EUの課題、日本のオーガニックコスメの将来性


オーガニックライフスタイルEXPO会場にて、セラピスト講座開催

EUでは、2010年に統一基準COSMOS(コスモス)が設立されました。
※前回記事 https://organicnetwork.jp/biz/archives/1768

ドイツのBDIH、フランスのCOSMEBIOとECOCERT、イタリアのICEA、イギリスの英国土壌協会の5団体が、オーガニックと自然化粧品の世界統一基準を作るため設立したのがCOSMOSです。2015年から、に統一される予定でしたが、それぞれの団体が自分たちの認証にこだわったことで、商品にはそれぞれ5団体の認証マークが表示されるため、消費者からはたいへん分かりにくくなってしまいました。EUのコスメ基準は、ほかの団体も定めており、さらにアメリカの基準とも異なっており、今だに世界のコスメに統一基準はないのが現状です。

それに、COSMOSでさえメーカー側の事情が優先され、いくつかの石油系の合成防腐剤や合成界面活性剤なども、「使用可」とされています。それらの成分には、日本ではアレルギー性があるとされた『旧表示指定成分』も含まれています。たとえば石油系の防腐剤である安息香酸などが『使用可』とされており、そうした成分が入っていても、コスモスの認証マークを取得することができるわけです。」

オーガニック先進国のEUでも、オーガニックコスメの基準には、一部の石油系成分も「使用可」という現状を知ると、消費者から信頼度の高い推奨品基準の重要性がさらに高まりそうです。

JOCAでは『天然成分100%』というオーガニックコスメ基準を推奨していますが、それはあまりに厳しく、理想的すぎるのではという声もときどき聞きます。しかし、実は日本は天然成分100%のオーガニックコスメを作る技術が、2001年以来、急速に進歩し、今やドイツを抜いています。

天然成分100%でコスメを作る技術は、世界一といっていいところにいます。だからこそ、天然成分100%のオーガニックコスメを日本から発信していく意味もあると思いますよ。」

推奨品取得オーガニックコスメ アムリターラ(フェイスクリーム)30g :5,184円(税込)

推奨品取得オーガニックコスメ アルテ (ハンドクリーム)50g1,890円(税込)

推奨品取得メイク用品  24h (リップスティック):2,484円(税込)

 
ところで認証マークには、毎年の更新など資金がかかり、メーカーには負担がかかるものだと思われがちです。

JOCAの推奨品マーク取得の条件は、会員制になっています。申請された製品が基準を満たしていることが確認されると、まず所定の費用で会員になってもらい推奨マークをつけています。
この会員制システムは、メーカーさんに負担とならない程度の費用で、天然成分100%の本物のオーガニックコスメであることがアピールできるようにするために作りました。会員さんは、消費者にとって本当に安心安全と言えるオーガニックコスメを一緒に広げる仲間と考えています。」

 
日本では地域興しとなるよう、地域の資源を使ったコスメの商品開発が行われているところも増えています。昔から使われてきた、美容成分を含む和の素材、ビワの葉、ドクダミなど注目の的。「日本オーガニックコスメ協会」では、天然成分100%で化粧品を作れる製造元を紹介したり、また各地でのセミナーを継続的に行っています。

さらに、「日本オーガニックコスメ協会」は、化粧品成分を見て分かる消費者が増えることも目標にされています。どんなモノを選び、買うかで、オーガニック製品の作り手や原料の生産者を支援し、自分の健康と地域の環境まで守ることができます。それが、自分にとっても心地よいライフスタイルにつながっているのだと感じました。
 

日本オーガニックコスメ協会  企業情報

 

 

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執筆者:奥田 景子

ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。

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