イスタンブル・オーガニックツアー Vol. 6 BALYA

GON Japan 中村実代がお届けする世界のオーガニック情報。イスタンブール・オーガニックツアーシリーズ第6回はイスタンブールのオーガニックカフェBALYA Organikです。オーガニックでつながるネットワークをリアルに体験しながら、オーナーのシナン・トゥザシュ氏にお話を伺いました。

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イスタンブール唯一のオーガニックカフェでは
アメリカンタッチの軽食が人気!

BALYA Organikは、イスタンブル新市街路面電車(トラム)1番線のトプハーネ駅に近いところにある。

イスタンブルで唯一の、店にあるものを使って料理(おもに軽食、ローフード)を作り、食べさせてくれる有機食品店・オーガニックカフェである。通訳の女性が「イスタンブルで唯一!」と非常に強調していたところを見ると、彼女御用達のお店のようであった。

しかし、残念ながら、私たちが訪ねた日は台所担当のオーナーの妹さんが不在で、軽食は提供できない、ケーキなどは売り切れたと言われてしまった。

通常は、朝食時から常連のお客様が詰めかけるとのこと。狭い店なのでどこで食べられるのと聞いたら、店内のテーブル2つと店外の小さなテーブルで12名ぐらいは座れるそうだ。ティータイムには、手製のケーキやクッキー、各種トルコティーやトルココーヒーだけでなく、カフェラテやアイスミルクなどバラエティも豊富そう。

私たちにも早速アップルティーやコーヒーが運ばれてきた。

 
まず、オーナーのシナン・トゥザシュ氏(写真左)に話しを聞いた。一緒に迎えてくれたのはトルコのオーガニック食品の輸出コンサルタントをしているというメムア氏。

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お店は2011年に開店した。台所は地下にあって、妹のアイリンさんとの共同経営である。販売面積は30平米ほどしかないが、ここにおよそ1400個の商品が並べられている。商品の90%はオーガニックで、野菜は市場や農家から仕入れている。オーガニック加工食品は専門ディーラーから仕入れているそうである。

妹さんは長年アメリカに住んでいたこともあって、料理はトルコ風というよりアメリカ風。アメリカで人気のローフードのスムージーやサラダ、野菜バーガー、サーモン・ブルスケッタ(これはイタリア風か)、各種サンドイッチなど。ケーキはリンゴなどのフルーツを使った物やブラウニー、オーガニックアイスクリームもオススメ。それがこの店の軽食に常連が集まる秘密であるようだ。

軽食やスムージー、オーガニックコーヒーやティーがおいしいことは皆さん知っていて、カフェと自然食品店の比重は同じぐらいだそうだ。

 

毎日食べたいものだから、価格もお客様目線で。

オーガニック牛乳であれば他の店では普通1リットル10トルコリラはする牛乳がここでは5リラと表示されていたので、オーガニックではないのか聞いてみた。

この牛乳は生産者から直接仕入れている。殺菌処理などはしてなくて、オーガニックなのだけれど認証はとっていない。このことを認めた上で購入してくれる人にあらかじめ登録してもらいこの値段で販売しているという。

私たちが店にいる間に実際に一人の母親が子供と一緒にこの牛乳を買いに来た。どうしても必要なものだから、いいものが値段が安くてとっても助かっているとのこと。2.5リットルの瓶を9リラで買っていた。これは他のオーガニックショップでは1リットル以下の値段である

卵も個売りで、1個0.95リラで販売していた。BALYAはこのように細かな配慮をしているからか、店とお客様との間がすごく緊密なように感じた。

 

つながる・オーガニックネットワーク

また非常に国際的な店でもあった。

常連の子供連れのフランス人教師と知り合いになった。実は、インタビューの通訳は、英語は得意だがドイツ語は苦手、私はドイツ語のほうがわかるという状態で、意思疎通がスムーズにいかないところで、ドイツ語で助け舟を出してくれたのだ。

この近くのフランス語学校の教師をしていて、週に1度は、野菜、ミルク、果物を買いに来るという。「なにしろ、野菜がほかの店で買うのと味が全然違うのよ!クッキーもおいしいしね」とのこと。

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一番左がドイツ語もできるフランス人教師

トルコの南海岸イズミールに住んでいるというマクロビ信奉のドイツ人女性のドクターとも知り合いになった。イスタンブルに出てくるとここには必ず寄るそうだ。今日も日本のお醤油を買いに来たという。

トルコでは日本料理は人気があるのか聞いたところ、日本料理に限らず、トルコ人は食に関しては非常に保守的なので外国料理がそんなに簡単に受け入れられるとは思わないとのことであった。

彼女自身はマクロビオティックに関心があるので日本の食材は愛用しているそうである。塩こうじのこともすでによく知っていた。

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塩こうじのおいしい使い方についてドイツ人同士話が弾んだ

最後に彼女が買った日本の醤油とオーガニック&自然食品店<BALYA>にまよいこんだ招き猫の写真。猫はトゥザシュ氏によると、たぶん、アメリカに住んでいた妹の荷物の中に紛れ込んでここまで来たのでしょうとのことだった。

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BALYA organic health food store
www.balyaorganik.com

…vol. 7に続く

 

 

 

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