オーガニックインタビューVol.4 GOTS地域代表(Regional Representative in Japan)三好智子さん 第3回

Global Organic Network代表・中村実代がオーガニックな人に会ってお話を伺うオーガニックインタビュー。国際的なオーガニックテキスタイル基準GOTS(Global Organic Textile Standard)について、GOTS地域代表(Regional Representative in Japan) 三好智子さんに伺います。

 
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知る、選ぶ、責任をとる

─ GOTS認証が、加工から最終製品にいたるまで、働き手の環境も視野に入れた総合的なシステム認証であることはよく理解できたのですが、認証の取得にはコストがかかるでしょう?

三好智子さん(以下三好):認証そのものにかかるコストは企業の規模により変わります。システム認証なので、記録をする、整理整頓するなどといった手間がかかるのと、使える資材が環境負荷の少ないものに限られているので苦労されている企業も多いです。

 
─ 人手と記録作業が必要となると、小さな規模の会社には負担が大きいのでは?
認証取得は大きな会社向けと感じます。

三好:そうですね。大きいロットで大きい工場が稼働する場合やインターナショナルな場合、例えばアフリカで作ったコットンをインドで糸にして、中国で布にして、バングラディシュで縫製して、日本で最終製品にする、というような場合には、第三者による認証は非常に有効に機能していると思いますが、負担の少ない認証制度の確立は今後の課題です。

 
─ 日本やアジアの国々では、染め物、機織り、検品などの工程が、個人規模で分業体制になっているところも多いですね。

三好:日本地域代表としては、そのような地域性もふまえ、マニュアル化できないものづくりや、ユニークさ、クォリティの高さなど、手仕事を評価する基準として改善していきたい、という思いを持っています。

 
─ 頼もしいですね。現状で小さな規模の会社が認証を取得するメリットはどのようにお考えですか?

三好:認証取得に取り組むことが、小さい単位、一人では気づきにくいことに目を向けるきっかけになると思います。農業の例で言えば、環境によかれと思って新聞を敷いていたけれど、実はよくなかった、などですね。新しい知識や最新の情報を得ることができます。何より「作り手の責任」を果たしている証明になります。

 
─ 作り手の責任?

三好:はい。「知らせる責任」です。私は、ブランドというのは、商品を通して、細部にいたるまで会社を信頼することで生まれるものだと思っています。「本当に良いものを作っている」「この会社はこういうことをしている」など、さまざまを知ったからこそ信頼され、選ばれる。消費者へ「知らせない」「責任をとらない」ではなく「知らせる責任」を果たすことが「選ばれる企業」への近道ではないかと思うのです。

 
─ なるほど。それを第三者が認証してくれていれば、消費者としても安心ですね。

三好:ですよね。そして買い手も、自分が着ている物が、どれくらい環境を汚染しているかを「知って」「選んで」「責任をとる」。透明性とバランス感覚を大切にしながら、社会全体が権利だけでなく責任をとる。GOTS認証がそんな社会を実現する一助になればと思います。

 

 
GOTSのホームページ http://www.global-standard.org/

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GOTS Version 4.0(和訳)はこちらからダウンロードできます→★

 

 

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