オーガニック食品の拡大と成長

「化学調味料」という言葉の通り、この種の調味料はオーガニックではないだろうと思っていた。でもビオファにはあるのだ。野菜エキスにさまざまなハーブをミックスしてパスタやサラダソースに使うもの、ほとんど日本の「味の素」と同じ感覚で、味をよくするために何にでも使えるものなどたくさんある。乾燥させたカラフルなエディブルフラワーを使って「遊んで」いるものまであるのだ。これなどはサラダやアイスクリームにかけると、おしゃれ度を増すことができる。野菜やビーフやチキンのエキスにさまざまなハーブを取り合わせて作り出すのが主な製法のようだが、ここでは、日本人より長くハーブに慣れ親しんできたヨーロッパや中東・インドに一日の長が歴然としている。オーガニックのスープストックは少種類だがすでに日本にも輸入されている。でもここではその種類の豊富さに驚かされる。粉やキューブ状のものばかりでなくペースト状になっているものもある。また、インスタントスープもオーガニックでおいしいものが豊富にあるのだ。野菜にしろ肉類にしろオーガニック食材のエキスは「うまみ」が違うのかもしれない。そのうまみをベースにハーブをうまく配合してうまみを増幅させ、メーンの種(例えばコーンスープであればコーン)を加えて作られているようだ。

ビオファ食品部門ではオーガニックワインとオリーブオイルのその年の優れたものにも賞が授与される。今年、オーガニックワインで選考の対象となったのは、26ヵ国から274銘柄で、そのうちMUNDUS VINI BioFach賞を受賞したのは15ヵ国192銘柄だった。ドイツ(47)、スペイン(40)、イタリア(38)、フランス(19)といったワイン王国に13銘柄で続くチリの健闘が目立った。オリーブオイルは25ヵ国256点から108点が選ばれ、その中から30点が1位から30位までの格付けで受賞した。トップ10ではイタリアが半数を占め、ギリシアが2、チュニジア2、スペイン1。チュニジアのオリーブオイルの品質の高さも日本ではあまり知られていない。

今年のビオファには、ビオファジャパン・オーガニックEXPO事務局が共同ブースを設営し、昨今、世界的に関心が高まっている日本食の食材を展示した。これまで、2005年に登録認定機関0CIAジャパンが中心となって共同ブースを構えたことがあった。有機JAS取得の4社と清酒メーカー2社(有機JAS表示対象外)が日本茶と味噌、日本酒を紹介したのだ。当時、ヨーロッパではまだ有機JASに対する信頼性が高くないときで、出展申請でも、ほとんどがヨーロッパの認証機関の認証がなく、特例として出展を認めてもらった経緯があった。

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