オーガニック食品の拡大と成長

それから5年がたち、昨年6月に、13の有機JAS登録認定機関がその同等性をEUに認められた。これらの認定機関の認証があれば、EUでも「有機」として販売することができるようになったのだ。これを受けて、昨年9月の第10回ビオファジャパン・オーガニックEXPOで、ビオフア・ニュルンベルクへの出展説明会を行った。こうして今年2月の共同ブースでの出展が実現したのである。2005年に比べ今回は展示品の種類が格段に増えた。なかなか伸びていかない日本の有機市場ではあるが、有機JASマークをつけた商品がこんなにも増えたのかという思いを新たにした出展であった。
参加企業と主な出展品は表1の通り。
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会場では、緑茶や大豆製品など日本の食材に対する関心の高さ、理解の深さに驚かされた。しかもそれが西欧圏に限らず、経済力をつけてきた東欧圈やそのほかの世界各地に広がっていることも身をもって感じることができた。とくに緑茶はドイツではブームのようで、ドイツでの日本茶の象徴的ブランドKEIKO Teeのブースはいつ行っても一杯の人だかりだった。当共同ブースでも日本茶のみを出展しているところが2社あった。この2社にはドイツの日本茶卸業者のトップスリーが訪れるなど活発な商談が行われた。情報ブースでも試飲を提供したが、業者に限らず、足を止める方のほとんどが日本茶の基礎知識を持っているような印象であった。

 

3. ビオファジャパンにおけるオーガニック食品のあゆみ

ビオファの日本版、ビオファジャパンは有機JAS規格の施行と時を同じくして2001年に開始。最初の3年は日本語名称を「自然の恵みフェア」と称した。有機に特化していることを名称にも打ち出したのは2004年に「オーガニックEXPO」に変更してからだ。

最初の年は有機JAS取得者が少なかったこともあり、有機を目指す親環境型農業の生産物を材料に使ったものも多く紹介された。この年に、しっかり有機JASをとっているのは少なかった。
まだ厳密に有機JAS取得している最終製品だけを「有機」と証している状態ではなく、有機栽培の原料を使っているという商品も多く展示された。認証対象外のビールも展示されたが、有機認証原料だけを使っているものではなかったようだ。

ニュルンベルクメッセが申し込み段階で出展品をチェックして認証のないものは展示させないようにしていたからだ。2001年の段階は、ビオファ・ニュルンベルクで出展社が1,725社もあり、商品バラエティも豊富になっていたのだろうか、基本的には今とほとんど変わらないほどの商品がすでにあった。ここに第1回目の出展品目をリストアップしてみる(表2)。nakamurahyo2

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