オーガニックフラワー(自然と農業編集部)

流通を開始しているオーガニックフラワー

オランダでは環境志向が高まる中、オーガニックフラワーの生産についても先んじています。オーガニックフラワーの生産は、1991年頃から次第に組織化され始めました。生産開始から、オーガニック栽培から出来た種、苗を使用すること、土は自然なものと証明されたものを使用、化学肥料、殺菌剤や殺虫剤、除草剤も使用しないという原則のもと、オーガニック栽培による循環型農業を確立することを目指していたということです。
栽培が開始されてから10年以上が経過し、現在オーガニックフラワーは球根を生産する「バイオボル」と、切り花等を生産する「バイオスフィア」という二つのオーガニック栽培クラブを中心に栽培されているそうです。花に関するオーガニック認証システムもあるようで、9月5日付の花卉園芸新聞によると、オーガニックであることを認定されるには、
・土壌中に活性化された有機物がなければならない
・生産に化学物質を使用してはいけない
・畑は使用後2年間使用してはいけない
・できた作物は最終検査を受ける
などの規定があるそうで、それらをクリアした花には、「エコラベル」を付けられるとのことです。

 

日本でもオーガニックフラワーが登場

オーガニックフラワーはその性質上、長距離輸送には向かないため、海外から日本へ輸入されることはかなり困難なものです。そこで振り返って、日本でのオーガニックフラワーの生産状況を見てみると、やはりヨーロッパからは遅れていることは否めません。ですが、国内でもオーガニックフラワーを生産する農家があります。
長野県で、スプレーカーネーションを中心に生産している栽培農家(Suki Flower Farm )で、2004年頃から無化学農薬での花の栽培を開始し、2005年からは本格的に有機栽培に移行、2007年に入って「オーガニックコレクション」と銘打った商品の出荷を開始しています。まだまだ数は少ないですが、今後需要が伸びれば、オーガニックフラワーの生産も増えるはずです。そのためにもオーガニックに関する消費者の意識をより一層高めていく必要があります。

 

出典:BioFach Japan 2007 公式ガイドブック
執筆者:株式会社 木香書房「自然と農業」編集部

PROFILE:
1924年に設立し、80年を超える歴史を持つ農業関係出版社。定期刊行物として、環境保全型農業を目指し人々を対象とした季刊「自然と農業」を発行。またその他の刊行物として養鶏関係の技術専門誌である月刊「鶏の研究」がある。定期的に、オーガニック関係の海外視察や、食に関するセミナーを開催している。幅広い視点から企画・取材し、農業の発展に寄与できるような活動を念頭におく。

URL: http://www.kikoushobou.net/

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