オーガニック・自然化粧品の現状と展望 (手島大輔)

4.海外のトレンド

ここで、海外の最新市場動向を紹介したい。近年の日本でのオーガニック・自然化粧品のブームは特にヨーロッパからの影響が大きいが、現地では新しい動きが起きつつある。

ロンドンでは、セルフリッジやハロッズをはじめとした百貨店にはオーガニック・自然化粧品が溢れ、その先進度としては世界一といえるであろう。日本に比べオーストラリアやドイツのブランドは少ないが、オーガニックに関する消費者の関心度も高く、過去のボディショップもそうであるが、新しいコンセプトの自然化粧品ブランドが生まれやすい土壌にあると思われる。新しい動きとしては、有名人がプロデュースする、非常に洗練されたジョーウッド・オーガニクス、ステラマッカートニー・ケアなどのブランドが出現してきていることである。特にイヴ・サンローランが展開するステラマッカートニー・ケアは、洗練されたデザインでありながら全てのアイテムにエコサートのオーガニック認定を取得した製品で、ロンドンや香港の百貨店の化粧品売り場に大きなスペースを取って展開するという大手企業ならではの販売を行っている注目すべきブランドであろう。

パリにおいては、ロンドンの百貨店に比べプランタン等でのオーガニック・自然化粧品の占める面積は依然少ない状況である。しかし、ロクシタンの路面店は至るところにあり、他の国での展開もそうであるが地元での力も強さを見て取れる。最近の動きは、前出のステラマッカートニー・ケアがLVMHモエ・ヘネシー・ルイヴィトン・グループのコスメショップであるセフォラで展開されており、今まで薬局で主に販売されているサノフロール等のエコサート認定オーガニック化粧品が、化粧品店にも並ぶようになったという変化が起きている。

ベルリンでは、Drハウシュカ、ヴェレダは薬局やスーパーのトイレタリーコーナーで、オーガニック認定取得のロゴナやマルティナ等はオーガニックスーパーでの販売と変化はないが、ロクシタンの路面店も出現しており、今まで国内製がほとんどであったドイツのオーガニック・自然化粧品市場に今後新たな風が吹くと思われる。

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