化粧品にも食品と同じぐらいの安全基準を(水上 洋子)

 

世界の有機基準をリードしてきた「IFOAM」とオーガニックコスメ

2009年、7月9日、「アイシスガイアネット」はドイツを訪れ、ボン市にある「IFOAM(アイフォーム)」本部をインタビューした。「IFOAM」は、1972年、フランスからスタートした国際NGOだ。ヨーロッパでもっとも早くから有機運動を始めた団体であり、非営利組織として消費者側に立って世界の有機基準をリードしてきた。

「IFOAM」が、30年以上の歴史を通じて培ってきた有機基準は、世界によく知られた各認証団体の基準作りのベースになっている。今では世界中で知られるようになった環境マネジメントシステムの「ISO」も、「IFOAM」の協力のもとに基準作りをした。

そのほか有機の世界基準を目指した「コーデックス委員会」の有機食品ガイドラインを作るときにも、「IFOAM」の有機基準がベースになっているし、EUが有機農業や有機食品を推進していくさいにも、「IFOAM」は良きパートナーとなった。また数年前から「IFOAM」は、国連と一緒に、オーガニックをテーマにした会議やセミナーも組織している。

そんなふうに世界の有機基準に大きな影響を与えて続けてきた非営利組織『IFOAM』が、今、化粧品のオーガニック基準についてどのように考えているのだろうか?「アイシスガイアネット」のインタビューの目的はそこにあった。

「IFOAM」本部は、郊外の緑に囲まれた、モダンな建物の中にあった。日本から来た環境NGOの取材のために「IFOAM」側で応対してくれたのは、理事長のキャサリンさん、シニアマネジャー(総務人事部長)トーマス・チャプカさん、メンバーズコーディネーターのサラ・バンダさんだった。

 

食べるものと同じぐらい、安全な化粧品基準を

「もし非営利組織である『IFOAM』がオーガニックコスメの基準を作れば、その影響はとても大きいと思うのですが」と言う私に対して、理事長のキャサリンさんはこう応えた。

「最近、『IFOAM』に、オーガニックコスメの世界基準を作って欲しいという依頼があちこちから来ていることはたしかです。しかし現在、『IFOAM』には、化粧品成分に詳しいスタッフがいないため、すぐに基準を作るのは難しいと思います」。
もし「IFOAM」が基準を作るとしたら、多くの時間と人材をかけねばならないだろうとのことだった。だが今のところ、まだその準備ができていないとのことだった。

とはいえ、「IFOAM」は、まったく化粧品基準に関与しようといていないわけではない。「IFOAM」は、三年おきに世界の各都市で世界大会を催している。2011年には、韓国で大会が開催される。そこではオーガニックコスメの基準について議題が出される予定があるとのこと。

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