中国オーガニックの今現地レポートと有機認証制度(自然と農業編集部)

农丰家畜・鳥類水産発展株式会社はアヒルの生卵を出品。同社は約1万羽のアヒルを淡水と海水が入り混じる水辺で平飼い飼育を行う。餌には、有機トウモロコシの他にも、大豆、サツマイモ、小魚、エビ、カニ、貝等の魚介類を豊富に給餌。そのため、栄養価が高いだけでなく、風味が強く、濃い黄色をした卵になり、中国人好みの食味に仕上がっているという。本製品は広東省で売れ行きが好評だが、今後3年間は同省だけでなく、上海、しんせん、香港、マカオに売り先を広げていく。

 

Beyond Foods(博悦食品有限公司)は、有機のカット冷凍野菜を紹介。商品はGAP(Good Agricultural Practice)の基準に従い、環境、安全面を厳しく管理し、収獲前には残留農薬と重金属値のサンプル検査を行う。ECOCERT、OFDCの認証を取得し、上海以外にもアメリカに支社がある。

 

オーストラリアから参加したSuper SproutTM社は、ニンジン、リンゴ、レモン、ブロッコリー等を特殊な製法で粉末パウダーにした製品を出展。素材はすべてオーストラリア産を使用し、料理等に混ぜることでサプリメントのように手軽に栄養を摂取できる。同社のほとんどの商品がオーストラリアの有機認証ACO(Australian Certifi-ed Organic)を取得。9月に日本で行われるBioFach Japanにも出展予定だ。

 

IFOAM(国際有機農業運動連盟)は、2011年9月26日〜10月5日に韓国のGyeonggiPaldangにて開催される第17回IFOAM有機世界会議の紹介を行った。アジアで初開催となる今回の世界会議は、NGOと政府機関の新たな協力体制のもとで行われる予定。また会議前後にはオーガニックツアーがあり、日中韓の有機先進地を訪れ、各地の取組みへの理解を深めたいとしている。

 

なお次回のBioFach Chinaは、同じ上海国際展覧中心において2011年5月26〜28日に行われる予定。

 

出典:自然と農業〈2010〉第15巻・第3号
執筆者:株式会社 木香書房「自然と農業」編集部

PROFILE:
1924年に設立し、80年を超える歴史を持つ農業関係出版社。定期刊行物として、環境保全型農業を目指し人々を対象とした季刊「自然と農業」を発行。またその他の刊行物として養鶏関係の技術専門誌である月刊「鶏の研究」がある。定期的に、オーガニック関係の海外視察や、食に関するセミナーを開催している。幅広い視点から企画・取材し、農業の発展に寄与できるような活動を念頭におく。

URL: http://www.kikoushobou.net/

《関連キーワード》

人気のWebコンテンツはこちらです

お問い合わせ