オーガニック化粧品入門(手島 大輔)

5. オーガニック化粧品の香りの特徴は?

このカテゴリーの化粧品に特徴的なのは香りです。オーガニック認証を得る製品の多くはハーブや花から得られる精油を香り付けに用いています。精油の採取方法は主に2種類あり、花や葉などを蒸留して得る水蒸気蒸留法によるもの、また石油溶剤などで抽出する溶剤抽出法があります。これら精油の香りはアロマテラピーもあるように心身に働きかける気持ちの良いもの。肌への刺激や心身への効果を考慮すると、高価になりますが溶剤抽出法よりも水蒸気蒸留法の精油の方が重宝されます。しかし、合成香料に比べ非常にコストが高いという点があります。そして、これらの精油は合成香料と異なり皮膚への刺激が強いこともあり多くの量を製品に用いることができません。よって本物の精油のみを用いたオーガニック化粧品とは、香料を用いた強い香りの製品に比べ自然のほのかな香りの製品になる場合が多いのです。

 

6. オーガニック化粧品は保存料不使用?

多くの消費者が気にする保存料ですが、先にも述べたように植物エキスを基にしたオーガニック化粧品に保存料を配合しないとほとんどが菌発生し腐敗してしまうリスクがあります。腐敗した製品を用いることは、保存料を含んだ化学製品の使用よりも体には悪影響と考えられます。植物エキスを多用するオーガニック化粧品の芳香蒸留水、化粧水、クリーム、シャンプーなどは、保存料を加えなければ制菌・殺菌できず常温での流通や保存は野菜ジュースと同じく事実上困難。しかしオーガニック認証機関ではパラベン等の効果の高い保存料の使用を人体や環境への悪影響を理由に禁止しています。そこで多くのメーカーは、アルコール(エタノール)や塩、認証機関が許可する保存料の添加を行い、また極力空気や手に触れないようなボトルの採用など工夫した製品を作っています。

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