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文献集

alnatura社長 Dr.レーンに聞く

このテキストはドイツの三大オーガニックスーパーマーケットのひとつアルナトゥーラの社長Dr.レーン氏に対するさまざまなインタビューをまとめたものです

著作:浅野・レッケブッシュ・経緯子

作成:2012年5月

 知らず知らずのうちに刷り込まれた興味、自然や文化に見識を深め心豊かに生きること

alnaturaの創設者であるレーン氏は、フライブルクの代々医者の家系に生まれ育ちました。シュタイナーの信奉者であった母親の影響もあり、幼少時代はボッフムのヴァルドルフ学校(シュタイナー教育を実践する学校)に通います。しかし当時はシュタイナー思想に傾倒することもなく、自らの意志で通常の大学に進学することを選びます。しかも大学での専攻は実家の家業ともいえる医学ではなく、市場のメカニズムを学ぶ経済学としました。レーン氏は学部の時代にはシュタイナーの人智学を深める機会は殆どなかったと話されています。しかし自身の置かれた環境や状況もあり、幼少期から自然や文化に強い興味や関心を抱いていたと語られています。そして今もオペラを楽しみに出かけたり、自らのデザイン画が受賞の栄誉に輝く等、自然や文化への見識を深めながら事業運営に忙しい毎日を過ごされています。

経済学の博士論文のテーマ、社会、企業そして社員の価値観の共有という独自の経営モデルを追及

レーン氏の将来に大きな影響を及ぼしたのは、両親の自宅に間借りしていた優れた人智学者であるヴィツェマン氏でした。レーン氏はこの時期を振り返って「人智学は自分の抱いていた全ての質問に答えを見出してくれました。」と語っています。人智学を通じた経済活動の洞察という新しい試みに取り組むべく、博士論文のテーマを「企業組織」とします。よりよい社会のために企業の経営目標と社員の関心事をどのように整合させてゆくべきかという切り口で論文を書き上げました。社会全般そして企業自体の関心と個人の関心のバランスを取りながら企業組織を作りあげようとするこの考察は、今日のalnaturaの企業理念にもなっています。

食品業界の巨人ネスレのマネージャー、よいと思ったアイディアは経験を積みながら実行に移されなければならない

その後レーン氏は食品業界における世界最大手、ネスレの製品開発部門に職を得ます。新しい商品を誰に提供し、ネーミングやキャッチコピーでどのように訴求してゆくか、またより魅力的な商品として買ってもらえるようにするにはどのようにすればよいかといった業務は大変興味深く貴重な経験となったと回顧しています。

alnaturaが驚くべきスピードで新製品を次々に市場に投入してゆけたのは、ネスルで働いた時の経験によると読み取ることもできます。しかしネスレでの7年が過ぎようとした頃から、多彩な商品を提供する大企業での研鑽は大変有意義ではあるものの、自身の中で暖めてきた事を制約なく行うことができないと感じるようになります。他の人のために、また地球のために心から喜んで一生懸命取り組める仕事を事業としたいという思いから、1980年代前半に起業を志します。

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