有機農産物認証に、私たちも参加できるPGS(参加型保証システム)の試みがスタート! その① もう一つの有機認証の基本を学ぶ

ご存知のように、2000年から有機表示に関する有機JAS制度が始まりました。商品本体とパッケージ、取扱業者が関わる送り状には、有機JAS認証を取得していないと、たとえ、有機農業で作っていても「有機」や「オーガニック」とは表示できなくなりました。それから15年になりますが、有機農業を行っている農業者の中で、有機JAS認証を取得している人はおよそ4,000人。認証を受けないで有機農業を実践している農業者はその倍の8,000人と推定されています。

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▲有機JAS認証製品についているマーク
 
 
このような、国の制度に入れない、あるいは入らないでマルシェでの販売といった地域のみを販路とする小規模有機農業者が、自分の生産物を「有機」や「オーガニック」として堂々と販売できるようにするための動きが、IFOAM(国際有機農業運動連盟)の音頭で、中南米・アジアだけでなく先進国までも含め、世界中で広がっています。

そのための方法が、生産者・消費者・ディーラーといった利害関係者が一緒になって参画するPGS(参加型保証システム)なのです。
 
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PGSへの動きでも、一歩も二歩も遅れている日本ですが、9月18日(木)、静岡県富士市で実践的な取り組みとしては日本で初めての研修会(主催:静岡県富士農林事務所)が開催されました。講師として招聘されたのは、田んぼや畑の生きもの調査を核に、もう一つの有機認証の方法PGSを提唱している一般社団法人生きもの認証推進協会 代表理事 徳江倫明(とくえ・みちあき)氏。会場に集まった35名ほどの農業者に認証をとることの意味と環境保全と生物多様性を具現化するPGS方式による「生きもの認証」について説明されました。
 
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▲PGSについて初めての講義を行った一般社団法人 生きもの認証推進協会 代表理事 徳江倫明氏
 
PGSは1970年代に日本で生まれた生産者と消費者が直接結びつく「提携」システムが一つの原点となっています。生産者と消費者が生産方法を確認し合い、納得し合うシステムとはいっても、PGSの生産方法はあくまでも有機JASレベルの有機水準を堅持します。そのうえで、地域や小規模農家に焦点を当てた生きもの認証推進協会のPGS保証の原則は次のようになっています。
 
① 生きものが豊かな自然環境を次世代につなぐ

② 予防原則に則り環境農業を推進する
*予防原則とは、現時点では明らかな証拠はなくても、将来、重大な影響が出て取り返しの付かない事態を引き起こすと考えられるものについては、今から予防しておくということ。たとえばミツバチ減少の原因ではと推測されているネオニコチノイド系等の殺虫剤は使わないといったことです。

③ 生産者と消費者の直接参加による交流の推進
*ここに私たちも関与し、生産者との信頼をはぐくみ、有機農業や環境保全、生物多様性について学ぶことができます。

④ 生産の透明性、生産者と消費者・ディーラー間の対等性、情報の公開性の確立

⑤ 化学合成農薬・薬剤に頼らない生命尊重の”脱農薬社会”をめざす

 
 
あなたも、一消費者として有機認証に参加しましょう!

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▲2015年9月18日の静岡県富士市における生きもの調査のフィールドワーク

一般社団法人生きもの認証推進協会では、生産者と消費者が一緒に環境保全や生きものの多様性を実感できる「生きもの調査」を重視しており、PGS(参加型保証システム)普及のベースとして、生産者はもとより、一般消費者やディーラーを対象とした「生きもの調査」を指導できる人材「Bioアナリスト」養成講座を開催しています。将来、草の根レベルの有機農業の浸透に自分も加わりたいという人は、下記ををご覧ください。

一般社団法人フードトラストプロジェクトブログ
一般社団法人生きもの認証推進協会ホームページ

今回の研修会に関する更に詳しい内容については、今後、GONのビジネスサイトに掲載していきます。

すでにPGSについてはこちらでも紹介しています。

連絡先:
一般社団法人 生きもの認証推進協会
東京都中央区八丁堀2-22-8 内外ビル7F
TEL:03-3523-0028 FAX: 03-3523-0861
E-mail:bioanalist@food-trust.jp
 

 
 
 
 

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