首都圏初の日本農業遺産『落ち葉堆肥農法』の認定地域・埼玉県三芳町で野菜づくりに取り組む冨田農園

毎月、第1・第3土曜日に東京都練馬区の遊園地・豊島園の正門横で開催されている《としまえんファーマーズマーケット》の常連である冨田農園(埼玉県入間郡三芳町 代表:冨田伸二)が、7月末に開催された第2回オーガニックライフスタイルEXPOに、1回目に続いて出展しました。

今年の出展では、玉ねぎ、ジャガイモ、ニンニク、オクラを販売。どれもはち切れそうに大きく、しっかり育ち、ずっしりといていて、いかにもおいしそう。

冨田農園代表の冨田伸二さんは、幼少のころより家業である農業を手伝いながら、世界初の農業試験場として知られるイギリスのオローザムステッド農事試験場で研修を受け、昭和60年ごろから本格的に無農薬栽培・有機農法、さらには地元の伝統農法である堆肥栽培農法に取り組み、安全で健康な、おいしい野菜づくりを信条にしています。

会場で冨田さんがアピールされていた《落ち葉堆肥農法》とは今年3月、首都圏で初めて日本農業遺産に認定された武蔵野地域の伝統的な農法。江戸時代に、川越藩主柳沢吉保によって開発された三富新田(さんとめしんでん-現在の三芳町上富と所沢市の中富、下富を指す)で主に行われてきた落ち葉を堆肥として活用するものです。

この地域は関東ローム層の赤土で栄養分が少なく、水はけの悪い土地柄。農家は、家の周りで日々の野菜を育てる「屋敷畑」と防風林や生活用木材確保のための「雑木林」、サツマイモなどを育てる「耕作地」から成り、雑木林の落ち葉を堆肥として利用することで地力を向上させてきました。

冨田さんが利用する落ち葉は、屋敷畑の向こうに広がる雑木林で集めます。そして、集めた落ち葉は1年間、雑木林の中で寝かせます。

1年後に畑の端に運んで、発酵材を混ぜてさらに1年寝かせます

1年寝かせた後、枯れ葉堆肥は完全に熟成し、こんなに草が生えてきています。

草を生えさせてしまっては、養分を吸いとらえてしまって駄目だろうとの批判もありますが、冨田さんのところでは、野菜のためではなく土そのもののための堆肥なので、これでいいのだとのこと。土づくりがうまくいっているらしく、この夏の長雨でもさほど影響は受けなかったとおっしゃっていました。

 
冨田さんは勉強会なども積極的に行い、《落ち葉堆肥農法》を次世代に継承してもらおうとしています。


 
 
冨田さんによると、1年目は虫に食われてしまって全く駄目だったそう。でも、試行錯誤を繰り返しながらも努力の甲斐が実り、最近では質のいい、おいしい野菜がとれるようになりました。京都の料亭に出荷したり、化学物質過敏症の方も安心して食べられるとの評判から、無農薬・無化学肥料、有機の野菜や果物、添加物不使用の加工食品を主に受け入れる「としまえんファーマーズマーケット」の常連になりました。朝9時30分から始まりますが、お昼ごろには完売という日が多いとか。

これから秋に向かって里芋や地元特産のサツマイモ、新ショウガなどがお勧めだそうです。
 
 
冨田農園
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としまえんファーマーズマーケット
 
 

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