福島から未来へ。茶綿のオーガニックコットンブランド「ふくしま潮目-SIOME-」

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2016年11月18日、19日に開催されたオーガニックライフスタイルEXPO。出展社の中から、二回目は東日本大震災で被害を受けた福島で、2012年からオーガニックコットンを栽培している「いわきおてんとSUN企業組合」のふくしまオーガニックコットンプロジェクトのひとつ、「ふくしま潮目-SIOME-」のプロダクトをご紹介します。

 

新しい農業とものづくりの循環を創り出す

原発の風評被害もあった福島県では、生産者さんが農業を断念するケースが多く見られました。農家の後継者不足で遊休農地や耕作放棄地が年々増加していく現状を変えるため、塩害に強いコットンを有機栽培で育て収穫し製品化と販売まで、一連の取り組みを行うオーガニックコットンプロジェクト。その目的は、地域に活気と仕事を生み出すこと、そして福島から新しい農業と繊維産業をつくることです。

 

津波の被害があった福島県いわき市を中心にした栽培概要は、2015年には作付け面積が市内20カ所の約2ha、年間収量は原綿で約250kgに。栽培されているのは、日本の在来種の茶綿(茶色の和綿)です。茶綿は福島の風土になじみ、毎年実を弾かせて着実に生命が循環しているそう。

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コットン畑の様子

農業と連環したものづくりは、3月~4月の春の土づくりから始まります。夏の摘芯を経て、秋に収穫された綿は冬に綿繰りという綿花の種と綿を分離する作業を終えると、再び土づくりと種まきという自然のサイクルに。一方で、収穫された綿から糸を紡ぎプロダクトづくりが始まります。「ふくしま潮目-SIOME-」は、メイドインジャパンのものづくりに焦点をあて、手間ひまかけて育てたコットンをひとつひとつ製品にしているそう。

 

優しい色合いが生かされたプロダクトの数々

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ナチュラルな色合いのタオルはギフトにもオススメ

いわきおてんとSUN企業組合が企画、販売する「ふくしま潮目-SIOME-」というブランド名には、『親潮と黒潮がぶつかる、福島の豊かな海としての潮目』、『コットンを通して、人と人が繋がる、出会いとしての潮目』、『これまでの社会を見つめ直す、時代の転換期としての潮目』という3つの意味があるそう。

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キャップ:参考商品

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新定番のTシャツ:4,700円(税別)

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たおるハンカチ 生成り:648円(税別)、その他のカラーは参考商品

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伝統的な技法「注染(ちゅうせん)」で染められている手ぬぐい

刺繍や注染、草木染め、プリントなどの加工をお願いする職人さんと、実際に会ってお話しをしながら進められているそう。どれも温かみのある茶綿が生かされたカラーをベースに、確かで魅力的なものづくりがされています。

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手ぬぐい:1,481円(税別)

 

また、「いわきおてんとSUN企業組合」では、コットンづくりなどのスタディツアーも開催されています。農業に興味がある人はオーガニックコットン農業体験、エネルギーに興味がある人は再生可能エネルギーの視察やワークショップなど、学べるプログラムが充実。未来へ向けて、福島から何が始まっているのか、いろんなことを身近に感じることができそうです。

 

いわきおてんとSUN企業組合  http://www.iwaki-otentosun.jp/

ふくしま潮目-SIOME-  http://shop.iwaki-otentosun.jp/

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執筆者:奥田 景子

ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。

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