化粧品にも食品と同じぐらいの安全基準を(水上 洋子)

自然化粧品のもうひとつの課題は界面活性剤

自然化粧品にとって、残るもうひとつの課題は、洗浄成分や乳化成分の目的で使用される界面活性剤は何を使うかということだ。
日本のある自然化粧品メーカーは、洗浄成分も乳化も石けんを使うことで安全性をクリアしている。石けんは天然成分ではなく、人間の手が加えられているので、合成成分だろうという声もあるが、何千年にもわたって、環境と生物にとって安全なものであることが認められている。
そのほか乳化の成分としては、日本の自然化粧品メーカーでは、レシチンなどを使うことが多い。

いっぽうドイツの自然化粧品メーカーは、洗浄成分や乳化のために、植物原料の合成界面活性剤を使うことが多い。ヨーロッパの自然化粧品の認証基準のほとんどは、植物原料の合成界面活性剤の使用を認めている。ただし植物由来の合成界面活性剤は、石けんと異なり、新しく作られた成分なので、肌にとってまったく問題がないかは、まだまだ検証を要するものだ。

 

化粧品のオーガニック認定基準

「BDIH」は、自然化粧品についての基準を打ち出したが、オーガニックについてはとくに基準は設けていない。これに対して、化粧品のオーガニック基準を定めているのが「ECOCERT(エコサート)」だ。

「ECOCERT」は、1991年にフランスで設立された。「ECOCERT」の認証制度は、もともと農産物の認証から始まったが、加工食品やオーガニックコットン、そして最近になってコスメへと、その認証製品の分野を広げていった。

「ECOCERT」の化粧品のオーガニック基準は次のようなものである。
「植物性成分の最小でも50%が認証された有機農法由来であること。より厳しい条件を満足しているものについては、たとえば『95%が有機原料』というようなラベルもある」。また「遺伝子組み換え原料の使用は不可」という項目もオーガニック基準ならではのものであろう。

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