【福島原発事故を乗り越えて】
流通業者・生産者を中心に458名が参加して2011年6月10日「第1回とことんオーガニックシンポジウム2011」が永田町憲政記念会館にて開催されました。
有機農業関連団体・企業等の協賛により、2009年6月から2010年6月にかけ、IFOAMジャパンは、生産者から消費者までを対象とした市場調査を行い、日本のオーガニックマーケットの市場規模と成長の可能性、課題を明らかにし、「日本におけるオーガニックマーケット調査報告書」として完成させました。
「第1回とことんオーガニックシンポジウム2011」はその報告会でもありました。
GONは、IFOAMジャパンの委託により、その英語版を完成させ、海外に日本のオーガニック市場の現状を広報しようとした矢先、2011年3月11日東日本大震災、福島第一原発事故が勃発しました。
放射能汚染により福島をはじめ、東北、関東の第一次産業は壊滅的な被害を受け、特に自然の循環と土づくりを基本とし、環境問題と食の安全をテーマとしてきた有機農業にとっては大きな打撃となったことは、ご存じのとおりです。
こうして、一旦、減退気味であった日本のオーガニック市場ですが、事故を機に消費者の環境や食の安全に対する意識が高まり、小売業界にも新しい動きが出てきつつあります。この動きをさらに活性化させ、未来につなげるべく「第2回とことんオーガニックシンポジウム」が開催されることになりました。
【目的】
環境と農業の関係に着目し、“オーガニックの原点を見つめ直す”ことを縦軸に、有機農業とオーガニックマーケットの拡大、特に“小売企業の新しい取り組みの紹介と今後のマーケティングのあり方”を横軸にして、日本におけるオーガニックの裾野を広げていくことを目的としています。
新規就農者の多くが有機農業を目指すといわれます。そんな新規就農者・若手流通業者などを中心とした日本農業の未来を支える次世代の取り組みについても取り上げます。
“分析”、“考える”ではなく、具体的実践につながる提案を行うシンポジウムです。
【狙い】
1. 有機農業の原点を語りつくす
環境と農業を考える新しい評価方法としての「リファレンスレベル」、世界のオーガニックへの取り組み動向(国際有機農業運動連盟国際会議報告)、有機農業、自然農業、JGAP管理に取り組む生産者の視点、福島における有機農業による放射能管理の科学的裏付け、さらには「提携」「森里海の連環」という有機農業の原点など、広範にわたる報告を予定しています。
そして、これらの報告をベースに、「農業」と「環境」と「食の安全」、それを支える価値観と社会の仕組みを見つめ直して、“サスティナビリティ(持続可能性)”と“ダイバーシティ(多様性)”という視点から、これからの有機農業を位置付けます。
2. オーガニックマーケットの可能性
最近のマクドナルドに代表される大量生産、大量消費と同一性、均一化を前提にしたチェーン展開による販売システムやマーケティング方法が根本的に見直され始めています。
それを裏付けるように、地域性、多様性に基づいた地域スーパーの取り組みが注目されています。
インターネット上でのコミュニティ形成など有機農業の原点にある生産者と消費者の直接的「提携」という方法が新しい展開として有機を目指す新規就農者に広がりつつあります。
しかし、その一方では、メジャーな食品メーカーの間に「有機○○使用」という有機原料を強調し、製品そのものが有機であるかのような優良誤認(オーガニックもどき表示)にも結び付きかねない商品開発も目立ち始めています。そうした傾向を単に否定するのではなく大手メーカーがそのような開発に進む社会的背景も洞察する必要があります。
「生産・販売・生活一体型マーチャンダイジング」をテーマに、もの作り(生産)・売場作り・生活提案、さらには物流システム作り・効果的な訴求法・巷に溢れ始めた“オーガニックもどき”表示への対処法など、ここにきて上昇傾向が見て取れるオーガニックマーケットをさらに広げていく上での課題と具体的な取り組みを明らかにする、実践的シンポジウムです。
3. 次世代へ繋ぐ-売り場づくりから社会づくりへ-
日本に有機農業という言葉が生まれたのは1971年。“主義・主張による有機の時代”に区切りを付け、原点にある考え方やこれまでの取り組みを、新規就農や生産者と消費者をつなぐ仕事、社会貢献型事業を目指す若者達に伝え、その目標を共有します。
日本の各地で有機農業の普及を多様な切り口でビジネス展開している若手経営者、地域おこし隊に参加し、そのまま地域の中で取り組む若者、自ら自然農業や有機農業に新規就農した若者達。彼らが目指している世界観を彼らの言葉で語ってもらい、世代間のコミュニケーションとコラボレーションを図ります。
【日時・場所】
2015年4月24日(金)10:00~17:00 渋谷区さくらホール(会場定員730名)
2015年4月25日(土)10:00~17:00 場所未定 都内会議室(会場定員200名程度)
【主催】一般社団法人フードトラストプロジェクト
【実行委員長】徳江倫明
* 「第2回とことんオーガニックシンポジウム 2015」には、GONも企画委員として参画しています。シンポジウムプログラムについては決定次第、掲載していきます。
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