2015年7月31日(金)に第6回フードマーケティングセミナーが法政大学経営大学院・一口坂校舎(東京・千代田区)で開催された。

7月30日のテレビ東京の「カンブリア宮殿」で「地方の絶品を発掘する!知られざる奇跡のスーパー」として紹介された東京・羽村市の福島屋。その代表福島徹氏と彼の地域密着型の『福島屋』をモデルに「生産者」「販売者」「生活者」三位一体の食品スーパーづくりを目指す「福島塾」のメンバー約30名が、6月10日~15日、オーガニック先進国アメリカの最新のマーケット事情をつぶさに実感しようと、カリフォルニア州のサクラメント・ナパ・サンフランシスコのマーケットを視察。

Fukusimaya TV

その視察に同行した、日本の小売事情に最も詳しいと言っても過言ではない『商業界』編集長・笹井清範氏が、専門家目線のコメントを添えながら視察したスーパーを紹介した。

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● WHOLE FOODS MARKET
http://www.wholefoodsmarket.com/
創業:1978年
本社:テキサス州オースティン
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店舗数:410店
年商:1兆4200億円(全米小売19位)
純利益:500億円(利益率4.2%)
SKU数:21,000
*Stock Keeping Unit(最小管理単位)

特徴
・生鮮に強く、店内加工度が高い:売上げ比率が業界平均50%のところ66.8%(惣菜・ベーカリー19.2%+その他生鮮47.2%)
・「LOCAL is a Mission」を掲げ、地元産地の調達を強化するプログラムを実施
-地域の生産者に低利で融資し、生産を奨励、買い上げる。一番重要視されるのは「オーガニック」
・ワイン売り場の前にオリーブを配するなど、消費者が買いやすいよう。今までの常識にとらわれない売り場構成
・作り立てに対する消費者ニーズに対応する売場づくり
-フレッシュオレンジジュースやナッツバターを自分で加工できる
・食肉は動物福祉に配慮した飼養管理をしていることを看板でアピール
-動物に優しく、環境に優しい飼育法
・GOOD-BETTER-BEST:青果と花のエコ度を独自基準で算定し表示
・量り売りが一般化:この分野でもオーガニックが浸透している
・ベーシックなアイテムで売れ個数の多いものはPB化し、NBと同価格で品質の高い商品を提供
・スーパーの中で食を楽しむ「in store Deli」の充実
 
 

● Berkeley Bowl
http://www.berkeleybowl.com/
創業:1977年 日系2世が八百屋からスタート
本社:カリフォルニア州バークレー市
店舗数:2店
年商:125億円(全米小売19位)
純利益:500億円

特徴
・青果売り場構成比が高く、そのうちの1/4がオーガニック。その多くが個人経営の農場から直接仕入れ
・きのこ類を多く品揃えしている
・多くの商品で量り売りを行っている
・飼育工程がわかるよう、卵では、パッケージにどのような環境でどのような餌をためていたかを明示

 
 

● COSTCO WHOLESALE
http://www.costco.com/
創業:1983年
本社:ワシントン州カークランド
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店舗数:米国470店(日本20店)
年商:9兆1000億円(全米食品小売3位)
SKU数:4,000

特徴
・取扱商品数を徹底的に絞り込み、リーズナブルな価格で提供することにより消費者の支持を獲得
・オーガニック比率が高くなっている(ほぼ1/3)。
-2015/07/03 日経MJによると、現在、米国でオーガニックを最も販売している小売はコストコで、40億ドル(4900億円)を超え、市場の11%を占める

 
 

● WinCO FOODS
http://wincofoods.com/
創業:1967年
本社:アイダホ州ボイズ
店舗数:93店
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年商:5800億円(全米小売3位)
SKU数:7,000

特徴

・倉庫型ディスカウント型スーパーだが、オーガニックも取り扱っている-規模は小さく葉物中心の品揃え
・NB商品群の価格比較表示を行って、安さをアピールしている
 
 

● Nugget MARKETS
http://www.nuggetmarket.com/
創業:1926年
本社:カリフォルニア州サクラメント
店舗数:12店

特徴
・フォーチュン誌による「最も働き甲斐のあるベスト企業100」の常連企業-従業員満足度が高い
・主力はオーガニックで占められる青果売り場。ビジュアルプレゼンテーションも見事
・セール表示だけでなく品質・特徴・用途を明記した価格表示
・ORGANIC-VEGAN-LOCALなど、売り場サインもわかりやすく、デザイン性も高い

 
 

● Raley’s
http://www.raleys.com/www/
創業:1935年
本社:カリフォルニア州サクラメント
店舗数:137店

特徴
・お客様に愛され、従業員が働きがいのあるスーパーとして、家族のための食品、持続可能性を標榜
・オーガニックの売り場をきちんと表示し、LOCAL-50マイル以内の家族経営農場からの農産物扱っていることを表示している
 
 

● BI・RITE MATKET
http://www.biritemarket.com/
創業:1940年
本社:カリフォルニア州サンフランシスコ
店舗数:2店、売り場80坪ほど

特徴
・元レストランシェフが創業。作り手を訪問して、そのプロセスを学び、教育を受けたスタッフが顧客に説明して販売
・品揃え規準:①おいしいもの  ②ナチュラルやオーガニックなど安全なもの  ③生産者からの情報がきちんと得られるもの
・地元の生産者から仕入れている
・チキンスープストック、トマトピュレ、オリーブオイル、バルサミコなど、ベーシックな商品をきちんと作っていることがアメリカのプライベートブランドの特徴
・アイスクリームハウス、花屋もやっている。作り立てをその場で味わってもらうDeliも充実
 
 

● RAINBOW GROCERY
http://www.rainbow.coop/
創業:1975年
年商:40億円
本社:カリフォルニア州サンフランシスコ
事業形態:生活協同組合
店舗面積:1000坪

特徴
・生鮮の売上げ構成比率は13%。野菜の99%は地元のオーガニック
・見てくれは悪い野菜でもオーガニックでどんどん売れている
・ソース類、キムチ、ハーブさらには洗剤類など、様々な商品の量り売りが展開されている

*各店舗データは、月刊「商業界」編集長笹井清範氏のプレゼンテーション原稿を基にさせていただきました。