日本で「もう一つの有機への道」であるPGS(Participatory Guarantee Systems:参加型保証システム)の普及・実践にいち早く取り組んでいる一般社団法人 生きもの認証推進協会のPGS版生きもの認証システムについて、GONの一般向けサイトでその①その②、2回にわたりご紹介したが、追加的な要点をご紹介する。

PGS(参加型保証システム)でも、有機農業が原則

まず、PGS版生きもの認証システムは、IFOAM(国際有機農業運動連盟)の有機農業の定義と有機農業の原理ならびに有機農業推進基本法の有機農業の定義の3つを大前提としている。

IFOAM(国際有機農業運動連盟)の有機農業の定義

IFOAM(国際有機農業運動連盟)の有機農業の原理

有機農業推進基本法における有機農業の定義

つまり、PGS版生きもの認証システムは、環境への負荷を低減させ、地域の自然循環機能を増進させ、生物多様性を育む農業を原則とする環境保全型農業=環境農業を目指す認証システムである。

PGS版生きもの認証システムの定義

PGS版生きもの認証システムは、地域に焦点を当てた品質保証システムである。信頼、社会的なネットワーク、知識の交換を基盤とし、関係者の積極的な参加活動に基づいて生産者を認証する。その方法は、下記を基本に組み立てられる:

①共通のビジョンを共有
②参加型
③透明性
④信頼に基づく基準適合性の保持
⑤永続的学習過程
⑥対等性

PGS版生きもの認証システムの特徴

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1.生きもの調査と生きもの観察会の実施
PGS版生きもの認証システムは、生産現場において生物多様性が具体的にどのように実現していくかを生産者自身が確認し、実感する方法として、生きもの調査の実施、及びこの取り組みを消費者等と共有するための学びと交流の場として、消費者等が参加する生きもの観察会の実施を必須基準としている。

2.生きもの認証審査員資格制度と研修
PGS版生きもの認証システムでは、システムの信頼性を確立するために、その理念や目的を理解し、相互に確認し合える、審査能力のある生産者の育成(中級、上級編)と確認会で一定程度の審査能力のある消費者を育成(初級編)するための研修・資格制度を確立する(Bioアナリスト養成講座)。

特に一般消費者等に対する初級編は、生きもの観察会や公開確認会に参加する消費者に、事前に農業生産に関する知識や生きもの観察の方法、審査のポイントなどを学んでもらう場となる。これがPGS版生きもの認証システムの最大の特徴といえる。

この9月、PGS版生きもの認証システムに関する説明会が静岡県で開催。アグリイノベーション大学校でもBioアナリスト養成講座が正式授業として採用されたことから、大阪会場で農業と環境、認証、さらにはPGS版生きもの認証について講義を行った。このように、日本でもPGS実践への動きが始まっている。
 

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