今年2月10日から13日にドイツ・ニュルンベルクで開催された有機食品の国際見本市「ビオファ」と10周年記念を迎えたナチュラルパーソナルケアのための国際見本市「ヴィヴァネス」。今年のBIOFACHのキーワードはビーガン、Matcha、スーパーフード、グルテンフリーなど。IFOAM(世界有機農業運動連盟)は「オーガニック3.0」をアピールしていた。
BIOFACHでは、Matchaはスーパーフードのひとつ
3年ぶりにBIOFACHを訪問し、驚いたのは数多くの抹茶製品が紹介されていること。ドイツのオーガニック情報サイトorganic-markt. infoの編集長カーリン・ハインツェさんによると、このブームは、3年ほど前、ビーガンのカリスマシェフ:アッティラ・ヒルトマンが料理に抹茶を使ったのがきっかけではないかという。抹茶とビーガンとは切り離せない関係になっていた。さらに、抹茶はスーパーフードの一つと捉えられていた。
抹茶製品がニュー・プロダクト・プロダクト・アワードの候補製品として展示された。
BIOFACHの中央入り口、入ったすぐに今年のベスト・ニュー・プロダクト・アワードの候補製品が並んでいるが、ここにもオーストリア企業(KISSA)や有名なYOGI Tea他、数社が抹茶、抹茶加工品を展示していた(写真上)。ホール9のドイツの革新的な若手企業を集めたイノベーションパビリオンにも2社(MatchaMagic-Zeekei GmbH、Organic Island)とSencha加工品として1社(Mono Tee GmbH)あった。MachaMagicは抹茶を使ったエネルギードリンクやカプセルに入れたサプリメントとしても紹介していたが、同社のプロダクション・マネージャー、クリストファー・ヴェーナー氏によるとMatchaはスーパーフードだという。
インドネシア産のスーパーフードに加えてMatchaも「清らか」という意味をこめて「KIYORA」というブランドで販売するOrganic Island
MatchaMagicは抹茶のほか、抹茶を使ったエネルギードリンクとサプリメントを紹介
MatchaはスーパーフードというMatchaMagicのプロダクション・マネージャー、クリストファー・ヴェーナー氏
Matchaブームはあいやのおかげ
ヴェーナー氏はまた、ドイツにおけるMatchaのブームは日本の抹茶メーカー、株式会社あいや(愛知県西尾市)のおかげとのこと。ちょうど最終日に来場されていたあいやの代表取締役社長杉田芳男氏に10数年ぶりに会うことができたので、ヴェーナー氏の言葉を伝えると苦笑いされた。あいやは、1998年にヨーロッパ進出のベースとしてウィーンにAiya Europe を設立。2008年にはドイツにおけるお茶の取引拠点であるハンブルクに移転した。今日のブームはビーガンがクローズアップされたここ2,3年とのこと。こうなるまでに長い年月がかかったと、思いをこめて振り返られた。
現在、あいやは、お点前用の抹茶だけでなく、ラテや料理用の抹茶、玉露や新茶、かぶせ茶のほか、有名化粧品ブランドKOSHOやオーガニックドリンクメーカーとして有名なVoekelにも原料提供している。会場では新製品の抹茶ドリンクも紹介されていた。前途洋々に見えるあいやの抹茶だが、杉田社長は、これから本物の抹茶と緑茶を粉にしただけのニセモノの「Matcha」との戦いですよ、とおっしゃった。
参考リンク先:
organic-markt. info
カリスマシェフ:アッティラ・ヒルトマン
KIYORA Tea
Matcha Magic
Aiya Europa GmbH