2014年10月28日

農業のIT化に大きな期待が集まっている。人工光などで完全な生産管理が行える「植物工場」(野菜工場)のシステムをはじめ、田畑にセンサを埋め込んで作物の育成を管理するシステム、営農を支援する農家向けのクラウドサービスなどが相次ぎ登場。米の輸入自由化や高齢化といった大きな課題を抱える日本の農業は、ITの力を取り込むことで変わることができるのか。

今月15日から3日間、千葉の幕張メッセで開かれた初の大型展「次世代農業EXPO」には、約70社が植物工場や農業向けのITソリューションを展示。パナソニックやNTT関連企業といった大手だけでなく、近年になって新規参入した中小IT企業の姿も目立っており、農業分野に対する期待の高さをうかがわせた。植物工場のシステムも多数展示。現在は完全人口光型より、国の支援も得られる太陽光型や併用型の市場がかなり大きいとみられる。

主に農作業の効率化や情報の自動収集によってノウハウの伝承を行うソリューションと、農家の営農を支援するクラウドサービスの2種類が目立つ。今後は米や農作物をネットで直販するための農家向けEC関連サービスが出てくることも予想される。

ただ、農業のIT化には課題も多い。

現状の植物工場の運営には、建物やシステム構築にかかる初期費用が高額なうえ、電気代などのエネルギーコストも非常に高い。地球環境の面からもエコ化できるかどうかが発展の鍵となる。

現在、農業従事者の平均年齢は66歳。今すぐにITを導入するには厳しい環境といえる。まずは後継者を見つけることや、新規就農を促せるかどうかもIT化への重要な鍵となりそうだ。

 

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