先週、有機JAS登録認定機関、NPO法人日本オーガニック&ナチュラルフード協会(JONA)の定時総会で、イオントップバリュ株式会社 食品H&BC商品本部 規格基準仕様管理チーム・マネージャーの植原 千之 氏の『オーガニックマーケット拡大への期待』という講演会が開催され、日本のオーガニック市場は未成熟だというお話があった。
それに比べ、オーガニック食品の伸びが著しいというお隣韓国の記事を紹介する。

朝鮮日報 2015.03.05

Well-beingという風潮に乗って、チョロン・マウル(みどり村)、ハンサルリム、チャヨン・ドリーム、オルガなどのオーガニック食品企業が非常な勢いで成長している。 これらの企業の2014年の売上げは 2013年より 10~30% 増加し、専門売場も全国的に急激に増えている。 この 4社の売場数は昨年一年間で 91か所増えて全国で808か所になった。

各種規制と消費不振の余波で売上げが減る一般大型スーパーでも、オーガニック食品部門は成長の勢いが明確だ。 イーマート、ロッテマートなど主要大型スーパーの有機食品の売上げも昨年は二桁成長を記録した。 チョン・ヨンスン檀国大教授(経営学)は 「内需不振と出産率低下などの余波で流通業界は全般的に売上げが減る中、オーガニック産業の成長の勢いは驚くべき水準」と分析しながら「ハイクオリティーを願う消費者のニーズに呼応して新しい市場を創出している」と語った。

みどり村など昨年 30% 以上の成長を記録

現在、韓国国内でオーガニック食品販売を運営するのはテーサン・グループのみどり村、プルムウォンのオルガ、生協形態のハンサルリムやチャヨン・ドリームなどがある。 業界ではこれらオーガニック専門店の売場だけで市場は1兆ウォン中盤に成長し、デパートと大型スーパーのオーガニック部門の売場まで加えれば市場規模は3兆ウォンにのぼるとみている。

実際にこれら専門店の成長の勢いはめざましい。 みどり村は昨年、売上げが 2013年比30% 増の1800億ウォンに達し、オルガの売上げも前年比 29%もの急増をみた。また、 売場をここ 1年間にそれぞれ 10余か所ずつ増やしたハンサルリムとチャヨン・ドリームも売上げが13%ほど増加した。

実績不振に苦しむ大型スーパーもオーガニック食品に力を入れている。 大型スーパーで唯一、成長の勢いを見せる分野がオーガニック部門だからである。 イーマートは現在 76か所の売場に入っているショップ・イン・ショップ形態のオーガニック部門を拡大して製品も多様化する事にした。 品目も有機野菜から乳製品、お菓子などまで拡大している。 イーマート関係者は「昨年、オーガニックお菓子の売上げは前年対比11%、有機果物は10%ほど増えた」と語った。

健康な食品への関心を掻き立てながら成長の勢いを持続

不況の中でもオーガニック市場が大きくなる背景には、Well-beingの風潮にのり、食品に対する関心の高まりと共稼ぎが増える社会構造の変化があげられる。 所得水準が高くて外食がひんぱんな共稼ぎ夫婦の場合、家で食べる時だけはまともなものを食べようという考えが強い。 チョン・ウンミ韓国農村経済研究院研究員は「政府が1990年代から施行した親環境認証制度が定着し、親環境製品に対する消費者の信頼もかなり高まっている」と語った。

企業もこの変化に素早く対応している。 直接取引などを通じて価格を抑え、PB(自社商標) 製品を相次いで市場に投入しながら消費者を引き寄せている。たとえば、みどり村は幼い子供を持った主婦を狙って「オーガニックせんべい」や「一口ヨーグルトイチゴチップ」 など、菓子類を中心に PB 商品の品揃えを拡大している。 プルムウォン系列であるオルガも生鮮食品だけではなく加工食品、子供専用商品を新発売している。 イ・テックボみどり村本部長は「今年は、共稼ぎ夫婦や独身者をターゲットに、住宅街を中心に売場数を 48か所増加し 420か所に拡大する計画」と語った。

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サマリー翻訳:篠原 一夫