2015年7月29日
執筆:Kai Kreuzer

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▲1999から2014年におけるフランスの各販売チャンネルを通した売上高推移(€)

フランスでは有機食品への強い需要があり、市場は継続的に成長。 2014年には、売上高は2013と比較して10%増加し、50億ユーロ(ドイツ78億ユーロ)に達した。フランスの一人当たりの支出は75ユーロで、ドイツは95ユーロであった。フランス市場は急速に上昇。独仏間には大きな差があるとよく言われたものだが、それは過去のものとなった。ほぼ 10人の消費者のうち9人が時折有機食品を購入し、10人のうち6人は、少なくとも月に一度は有機製品を購入するという。この需要を満たすために、より多くの農家が有機農産物生産への転換を続けている。有機農業を推進する公益団体「アジャンスビオ」の報告によると、昨年、拡大の伸びはわずか4%だったが、有機圃場は110万ヘクタールを超えたという。

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▲フランスの各販売チャネルの市場シェア  アジャンスビオの資料による

有機農場数は4%上昇して、26,500に達し、加工業者と小売業者の数は2014年にはおよそ13,000社で、前年に比べて3%以上の増加をみせた。 2015年最初のデータは、この傾向は衰えず継続していることを示している:1月1日〜5月17月まで、1659の新生産者が加わり、2014年同時期と比べて16%の上昇となっている。

有機農業部門のこのダイナミックな動きは、フルタイム換算で約10万の 雇用を創出するほどの直接的な影響を与えている。有機農場単独でフランスの農村地域では66,000の雇用となっている。

毎年6月の最初の2週間に開催される、オーガニック農業・農作物に関する情報とプロモーションを行うフランス最大のイベント 「プランタン・ビオ」がこの分野の活力の証拠だ。有機農業の利点に関する情報や有機製品を味わう機会が提供される数百のイベントにフランス全土から多くの人々が結集する。今年は、EU-ラ·ビオ、ル·ボン計算学会の資金で新しいキャンペーンが紹介されたが、それは、消費者にバランスのとれた持続可能な食生活のヒントを提供するものだった。

昨年、有機農家や小売業者の数は39,400となり、4%上昇した。フランスで有機で管理される圃場の割合は4.1%でドイツは6.5%、全農場数で占める割合は、フランスは5.6%で、ドイツは8.4%である。有機農業は慣行農業よりも労働集約的である。アジャンスビオによると、有機農業は作物の多様性により多くの労働力を投入し、有機への変換やダイレクトマーケティングにより注力するなど、それらすべてが、従来の農法に比べ60%以上の労働力がかかるという。

 
オーガニック・ケータリング需要の成長

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▲2001年~2014年までの製品グループごとの売上げ推移

小売業の有機食品売上高である48.3億ユーロ(+ 10%)に、食堂や他の大規模なケータリング企業による売上げ1.91億ユーロ(+11 %)を追加することができる。調査によると、フランス人の87%が学校給食でオーガニック・ケータリングを希望しているという。 76%が病院で、73%が高齢者のための職場や施設での有機食品の使用に賛成している。これが、ソーシャル分野における大規模キッチンによる購入額の2.7%が有機食品である理由である。2008年にはこの数字は、わずか0.6%だった。有機食品は、その支出の13%を占めている。これらのケータリングキッチンの65%がオーガニック製品は、少なくとも月に一度、39%は少なくとも週に一度、15%は毎日使用しているという。毎日、有機を使用している学校、幼稚園、病院の数は2009年から3倍に上昇している。

様々な作物における有機製品の比率を考えると、主食が23%、フルーツ14.7%とスパイスと薬草13.2%と続く。フランスで成長した有機ブドウのシェアは8.4%のみであることから、オーガニックワインは有機製品ランクの未だ10位以下である。有機穀物や耕地作物用の圃場割合もわずか1.9%である。

畜産分野では、主に養蜂(巣箱の12.6%)と卵の生産(雌鳥の8%)がオーガニックである。有機生産はフランスの有機圃場の半分以上を占める5つの領域に集中している:ピレネー地域(ミディ·ピレネー)が145409ヘクタール、パリの南のロワール地方(ペイドラロワール)が115570ヘクタール、マルセイユの西ラングドックルーションが100789ヘクタール、アヴィニョンの東ローヌ·アルプ地方が、96331ヘクタール、プロヴァンス/コート·ダジュールが93184ヘクタールとなる。

フランスの有機農業振興機関アジャンスビオの結論では、フランスは全体として市場が構造的な成長の過程にあるという。10%の年平均成長率で有機市場は1999から2005まで拡大し、その後も成長を続け、2012年から2014年の間には20%へと加速した。

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▲フランス2014年の流通チャネルおよび製品グループ  アジャンスビオの資料による

フランスは近年、食品輸入削減のために大きな努力をし、その結果、有機食品の76%は、現在、フランス国内で生産されている。輸入の約半分は、国内では小規模でしか生産されていないエキゾチックフルーツである。

オーガニック製品の売上高は、全ての販売チャネルで伸びている。オーガニック専門チェーン店は12,6 %という最大の成長を遂げたので、28%のマーケットシェアを獲得する一方、自然食専門小売店は6.4%ほどでマーケットシェアは7 %であることから、46%を占める食品小売に対し、オーガニック専門店としては合わせて35%となった。直接販売を行う農家は同様に11,5 %増を達成し、マーケットシアは13 %。職人的食品加工業(ベーカリーや肉屋)はシェア5%。要約すると、中小企業(54%)による有機マーケティングの割合が依然として大企業の売上よりもかなり高いということになる。

当記事はドイツのオーガニック専門サイト:http://organic-market.info/の承認により翻訳・掲載しています。

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