2016年5月26日(木)に、日本における倫理観、良心をもった行動規範としてのエシカル文化の定着を目指して活動をしている日本エシカル推進協議会(エシカルラベル普及実行委員会、委員長:山本良一)が「第1回 エシカルに纏わるラベルと認証制度 シンポジウム」を開催した。副題は「2020年そしてその先へ、エコラベルが果たす役割とは」として、様々な資材の調達基準がこれから示される東京オリンピックとその先を見据えている。

会場には、FSC (Forest Stewardship Council®:森林管理協議会)の認証制度のなかのFSCプロジェクト認証を獲得しているイトーキ東京イノベーションセンター SYNQAの1階が使われた。FSCプロジェクト認証とは、「建造物」や「製造物」などをプロジェクトごとに認証するもので、床壁天井・造り付けの造作家具で使用している下地材、芯材を含む全ての木材は、FSC認証材または管理された木材として森から産出され、施工にいたる各プロセスが適切に管理されていたことが認められて付与されたもの。

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今回のシンポジウムで焦点が当てられたのは、エシカルな社会構築の実現を助ける手段としての認証やラベル。まだあまり周知されていない環境・森・海・農業・フェアトレードなど各業界の認証、ラベルの現状、その仕組みや動向・特徴とそれらのラベルが環境や社会に及ぼす影響などについて幅広く紹介された。ここでは、おもにラベル・認証機関について紹介する。(  ) 内は発表者。

グリーン購入ネットワーク (事務局長 深津学治氏)
グリーン購入に率先して取り組む企業、行政機関、民間団体等のネットワークで、環境配慮製品、サービスの優先的購入を推進。製品・サービスの環境データベース「エコ商品ネット」を運営。エコマークは第三者認証を行う環境ラベル。

産業環境管理協会 (LCA事業推進センター所長 神崎昌之氏)
製品のライフサイクルにわたって環境負荷を定量的に「見える化」する、カーボンフットプリントエコリーフ環境ラベルを運営。

フェアトレード・ラベル・ジャパン (理事・事務局長 中島佳織氏)
国際フェアトレード認証ラベルのライセンス業務、フェアトレードの普及啓発活動を行うNPO法人。
生産者への適正価格の保証、児童労働の禁止、環境保全等、「経済・社会・環境」の側面からなる国際フェアトレード基準に従って、生産・貿易・製造の工程を監査・認証する。

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▲フェアトレード認証製品

 
FSC ジャパン (事務局 岩瀬泰徳氏)
2006年に設立された特定非営利活動法人日本森林管理協議会内の一グループとして活動。環境保全の観点から見て適切で、社会的利益に叶い、経済的にも継続可能な森林管理の普及を目的に、国際的な森林認証制度を運営している。

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▲FSC認証製品
 
MSC日本事務所 (プログラムディレクター 石井幸造)
第三者認証機関による審査を経て認証を取得した漁業で獲られた水産物にのみつけることができるMSC(海洋管理協議会)マークは、持続可能で環境に配慮した水産物の証。現在、世界約100カ国、2万製品以上が販売されている。

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▲MSC認証製品
 
GOTS (地域代表 三好智子)
オーガニックテキスタイル世界基準。オーガニック原料を使用する、製造工程において禁止薬剤を使用しない、児童労働や差別の禁止など、エシカルな方法で製造されていること等を規定している。

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▲GOTS基準で認証された製品

 
最後に、「エシカルラベルの重要性と普及の課題」というテーマで、㈱レスポンスアビリティ 代表取締役の足立直樹氏をコーディネーターにパネルディスカッションが開催された。パネリストは以下の通り:

大石美奈子氏 日本消費者生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 理事 環境委員長
田中秀輝氏  花王株式会社 執行役員 購買部門統括
金丸 治子氏 イオン株式会社 グループ環境・社会貢献部 部長
稲垣 貢哉氏 興和株式会社 営業第6部所属 Textile Exchange Governance Board of Director
山口真奈美氏 ㈱FEM/㈱Control Union Japan 代表取締役