オーガニック食品の拡大と成長

最終製品に有機JASはつかないが、2回目には日本から有機小麦で焼いたパンと有機認定原料を使ったビールが初めて展示された。日本企業の論入展示品にこの年からオーストラリアと中国、韓国、フィリピン産の製品が加わった。これらの国からは前回にも出展はあったが、それを日本の業者がすでに輸入販売しているということに意味がある。生鮮野菜や原料用野菜、明日葉ジュース、バナナ、肉製品(ビーフ)、缶詰瓶詰めのさまざまな加工食品、甘栗などだった。

2003年、第3回までは日本製品の出展社は必ずしも最終製品が有機認証済みだけでなく、原料が有機認証であるものも出展されていたが、2004年、第4回目以降は、ほぼ有機認証済み商品だけが展示されるようになった。第4回の国内出展社の展示品は表3の通り。

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この年初めて、国産野菜のみを使った有機ベビーフードと、有機JAS認定対象外ではあるが多くのオーガニック日本酒が出展された。また、パン工場として最初にプロセス認定を受けた出展社が有機原料を使ったパンを紹介した。

日本産の製品がなかなか伸びない中で、2007年の㈱オーガニック・ギルドの出展は日本の有機加工食品業界に衝撃を与えたといえるかもしれない。日本の各分野の大手メーカーでも、有機食品は各々少数しか製造していないので、合同でひとつのオーガニックブランド(オーガニック・ギルド)として販売しようという計画で同社は創設されたという(表4)。

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2008年までは海外出展社のほうが多かった。ドイツも1回日から6回目までナショナルパビリオンを設営。2回目にはジェトロが中南米9カ国からの製品を紹介。イタリアの認証機関AIABも共同ブースを設営し、イタリア自慢のオーガニックワインやチーズ、オリーブオイルなどを大々的に紹介した。スペイン・アンダルシア州やオーストラリアもグループ出展した。ビオファジャパン発足当初、海外出展社の多さに、海外のメーカーの日本の有機市場に対する期待がいかに大きかったか、見て取ることができる。3回日以降もブラジルやポーランド、フランス、メキシコ、オーストリア、韓国(一部ナチュラル製品)がグループ出展した。4回日にはジェトロが南米9ヵ国をまとめて2回日よりさらに大きな規模で出展。しかし、世界不況の影響と日本の有機市場にあまり手ごたえがないと感じたのか、2009年からは外国出展社は減少した。

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