2008年にスタートしたニットブランド「MAITO」は、シンプルでナチュラルな素材を使って、糸つくりをベースにしたモノつくりをしているブランドです。
代表の小室真以人さんは、家業の草木染めに触れて以降、大学で染織を専攻し伝統的な技法を学び、革の草木染め新しい技術表現を模索していったそうです。
左:桜の煮出し 右: さくら染め二重羽衣スカーフ:12,960円(税込)
大量生産のための安価で簡単に染めることができる化学染料には、重金属や化学物質が使われ人や自然に対して強い影響を与えます。
「MAITO」では、草木染めが古来より培ってきた知恵と現代の職人の技を生かし、糸にする前の綿の状態から染めているそう。それによって、草木のみで色褪せにくく色に深みを出すこともできているそうです。
染め風景
さらにホールガーメントという、コンピュータープログラミングによる最先端テクノロジーもとり入れられています。これは3次元に編成する「3次元無縫製ホールガーメント」で、ヒトのシルエットに沿うようデザインされニットにつなぎめがありません。
左:草木染 平編みのレギンス:4,104円(税込)
右:草木染 綿マルチボーダーソックス:2,376円(税込)
形崩れしにくく肌あたりがやさしいいものができあがるそうです。また最小限の糸しか使用しないので、糸を無駄にしないというメリットもあります。自然の恵みによる素材を大切に、やさしい風合いを感じて欲しいという願いが込められた商品の数々。
「MAITO」の素材が、独自のプロセスを使った特別なものである秘密です。他に草木染の革製品もあります。「MAITO」では、季節の植物で染めるストールなど、毎月草木染めのワークショップが行われています。日本人が愛してきた季節の移ろいに合わせた、染めの技術を体感してみてはいかがでしょうか。
MAITO: http://maitokomuro.com/
《関連キーワード》
MAITO, メイドインジャパン, 草木染め
執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |