「スクール・ナーランダ」は、2017年始動した、浄土真宗本願寺派が取り組む新しい学びの場です。5世紀の北インドにあったという、仏教だけでなく医学、天文学、数学などを研究する総合大学「ナーランダー僧院」が名前の由来。ゴールは、これから社会に出ようとする10~20代の人たちが、現代を生き抜く智慧を身につけることです。
第5回が、2月8日、9日の二日間、佐賀の名刹、願正寺で開催されます。海の恵み、畑の恵み、山の恵みが豊かな地・佐賀で、今回のテーマは「食」。講師陣には、宇宙生物学者、アーティスト、料理家、僧侶など各分野の専門家を迎えます。
佐賀・願正寺
テーマは、「あなたは、あなたが食べるものでできている。~生きものの営み、土地、テクノロジー、『食』をめぐる考察」
「土地や自然、生きものや生産者と『食べ物』を通して関わり合っていること、バイオ・テクノロジーによって生物はどう変化していくのか、『いのちを取り込むこと』を仏教ではどのように捉えているのか? 多様な講師陣から『食』をめぐる多様な物語を聞き、共に考える二日間」になるそう。
対話しながら、現代を生き抜く智慧を身につける
仏教や科学、芸術、哲学など多様な分野を横断的に学び、双方向に対話し、体験することができます。また、参加者と同年代の若者が「チーム・ナーランダ」として、企画運営に参画しているのも大きな特長。
嬉野茶時の生産者さんたち
今回の「食」というテーマでは、佐賀ならではの講師も。佐賀では有名な茶処・嬉野で課題や革新に取り組む生産者ユニット・嬉野茶時(うれしのちゃどき)。嬉野茶時は、佐賀・嬉野が何百年もの間、受け継いで来た「嬉野茶」「焼き物」「温泉(宿)」を、上質な空間と4つの季節で表現するプロジェクトです。
生産者さん自ら、接客やサーヴまで行う「嬉野茶寮」には、無農薬・無化学肥料栽培を継承する「きたの茶園」、無農薬・無化学肥料栽培や減農薬・減化学肥料栽培の「副島園」など、7人の茶農家さんが参加しています。
嬉野茶時のティーセレモニー(2月9日)
他には、地球生命の起源の謎に挑む生物学者の藤島皓介さん、テクノロジーと社会の関係を表現するアーティストの長谷川愛さん、食・文化人類学・アートを融合した活動を国内外で展開する料理家の船越雅代さん、浄土真宗本願寺派の僧侶と多様な顔ぶれ。
料理家の船越雅代氏
花岡尚樹氏(浄土真宗本願寺派僧侶)
アーティスト/デザイナーの長谷川愛氏
各講師による授業、講師全員によるトーク・セッション、参加者同士や講師を交えたディスカッションに加え、ランチやワークショップの内容も日によって変わります。
絵付けワークショップ(2月8日)
佐賀県内の焼き物の中でも最も古い伝統をもつ「尾崎人形」。弘安4年(1281年)蒙古襲来の際、捕虜となった蒙古軍の兵士が祖国を偲んで吹き鳴らした人形がその始まりと伝承されています。素朴でちょっとユーモラスな尾崎人形の絵付けを体験できます。
佐賀出身の弓削啓太氏のパスタ試食も(2月8日)
佐賀県出身の弓削啓太さんは、カナダの料理学校で学び、パリの三つ星レストランでの修行を経て、現在は横浜「SALONE2007」のシェフを務めています。「パスタ・ワールド・チャンピオンシップ 2019」において世界一に輝いたパスタを味わいながら、ご本人のお話をうかがう貴重な機会。
「スクール・ナーランダ」には、未来が不確かな時代の中で、これからの社会を担う10~20代が、各自の「ものさし」をつくり、行動していくためのヒントになる智慧や人との出会いが得られる場となるように、という思いがあります。専門家の話を聞き、地域の食を味わい、伝統に触れることもできる。佐賀という地域を見直し、新たな発見をする機会にもなりそうです。
■第5回 スクール・ナーランダ
日時:2020年2月8日(土)・9日(日) 9:30~17:00
会場:佐賀・願正寺
講師:<2月8日>藤島皓介(宇宙生物学者)長谷川 愛(アーティスト/デザイナー)松月博宣 (浄土真宗本願寺派僧侶)
<2月9日>船越雅代(料理家)嬉野茶時(嬉野茶生産者ユニット)花岡尚樹(浄土真宗本願寺派僧侶)
定員:60名/日
対象:10~20代
参加費:一般 1日3,000円、2日通し券5,000円(いずれも昼食付き)
学生 1日2,000円、2日通し券3,000円(受付にて学生証を提示)
申込み方法:Peatix(ピーティックス)
https://nalanda5-saga.peatix.com/
もしくは、「浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁づくり推進室」宛に、メール(goen@hongwanji.or.jp)かFAX(075-351-1211)にて、必須項目:住所、氏名、年齢、希望日、メールアドレス(申込み後はメールアドレスへご連絡いたします)、連絡の取れる電話番号を記載してお申込みください。
※申込み締め切り:2020年2月3日(月)正午
先着順。定員になり次第、締め切りといたします。
主 催:浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁づくり推進室
共 催:浄土真宗本願寺派 佐賀教区子ども・若者ご縁づくり推進委員会
企画・ディレクション:エピファニーワークス
企画・運営:浄土真宗本願寺派 佐賀教区子ども・若者ご縁づくり推進委員会/チーム・ナーランダ
協 力:願正寺
お問合せ:浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁づくり推進室
(〒600-8501 京都市下京区堀川通花屋町下ル 浄土真宗本願寺派宗務所)
goen@hongwanji.or.jp
Tel(075)371-5181(代)
fax(075)351-1211
執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |