イギリスのガ―スタングとういう街は、2001年に世界で初めてフェアトレードタウンと認定された街です。フェアトレードは知っていても、フェアトレードタウンという「フェアトレード運動」を具体的に知らない人も多いのではないでしょうか。
それは、おもにフェアトレード商品の普及が目的の運動のことですが、公正貿易証明団体から認定されるためには、推進組織の設立、運動の展開と市民の啓発、地元議会の決議などを含む6つの基準を満たしていなくてはなりません。急速に増えている世界のフェアトレードシティ、タウン、ヴィレッジなどは、今1200を超えています。
さらに国内の地域社会の活性化など、ローカルな取り組みにもアプローチしてきています。アジアでは日本の熊本市のみが、2011年にフェアトレードシティと認定され今年の3月には国際会議も開催されました。年内には名古屋市もフェアトレードシティと認定される見込みです。
ロンドンから北西へ列車で2時間ほどのところにあるフェアトレードタウン発祥の地、ガ―スタングの教育の現場に行ってきました。指導しているのは、フェアトレードタウン創始者のブルース・クラウザー氏です。
自然に恵まれた学校のような公的な建物には、フェアトレード商品の販売やフェアトレードの歴史が学べる掲示板の展示などがありました。
▲販売されているフェアトレードチョコレート ▲フェアトレードが学べる展示物
8歳から11歳までの子供たちが、まずガ―ナのカカオ農場について学び、その後実際にチョコレートを作ってみるのです。カカオの中にあるカカオ豆をローストして、細かくすりつぶし、カカオバターやお砂糖を何%加えて行けば良いのか確認しながら練っていく、だんだんとチョコレートになっていく作業に皆大喜びでした。
▲熱心に話を聞く子供たち(右は元フェアトレードシティくまもと推進委員会代表明石祥子氏)
▲チョコレート作りを説明するブルース・クラウザー氏と子供たち
▲最後のチョコレートを型に入れていく作業
香りを確かめながら、型にはめて固まると出来上がりです。フェアトレードについて、クイズ形式で遊びながら学び、たくさんの質問をしている子供たち。子供たちが飽きないような工夫があり、さすがにフェアトレードタウン先進国だなと感じました。
参照
*フェアトレードタウン・ジャパン ホームページ http://www.fairtrade-town-japan.com/
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |