朝食後のオーガニック談義 その3 -ビオ=オーガニックについてドイツ人の一般消費者に聞く

2016年2月、ドイツの旅行会社が企画したツアーで知り合いになったドイツ人参加者に、オーガニックについての考えや行動について聴いた報告を続けます。

 

ビオ愛好家の娘を持つ主婦の話

ご主人と一緒にツアーに参加されたロスヴィタ・クルークさん(60代)は、フランスに近いカイザースラウテン在住。若いときから様々な仕事に就いてがんばってきたものの、数年前に医者より、もう仕事はやめてゆっくり過ごしなさいといわれて、今は趣味に勤しみ、ボランティアで介護ヘルパーを行っているそう。

 

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もちろん、ビオについては良く知っています。でも、本当に信頼できるのという気持ちがある。環境全体を考える視点が充分でないと思われるから。ビオマークつきといっても、エネルギーを使って遠い海外から運んできたり。糖尿病のご主人が、糖尿病用のビオのジャムを買ったのだけど美味しくなかったそう。

 

結婚している娘が一人いて、ほとんどビオの食品を買うほどオーガニックに打ち込んでいるのだけれど、洗剤は合成洗剤だったりして(苦笑)。自分は長く石鹸洗剤だけを使っているのに。

 

買い物については、ビオマークにこだわらず、ナチュラルなもの、環境にやさしいものをきちんと確認して購入しようと決めているというロスヴィタさん。家の周りに店が多いので、買い物には毎日行き、野菜や果物は週2回のファーマーズマーケットでもよく買うとか。このマーケットには有機認定のものもあるけれど、大体は顔なじみのお店から購入。卵は平飼いをしている農家、はちみつは野生の蜜を集めている養蜂家からと決めているそうです。

 

ロスヴィタさんも地産と信頼を大切に考えられているんですね。ちなみに、彼女はインスタント食品は一切使わないとか。食品はほとんど大型スーパーから購入するわれわれと違って、ロスヴィタさんのような買い方ができるなんて、とてもうらやましく思いました。

 

 

ビーガンの息子を持つ父親の話

フランクフルト近郊のオッフェンバッハから一人で参加したマティアス・リートさん(61歳)。ドイツのハンドボールリーグの選手だったこともあるそうです。自分では買い物をしないので、前夜、ドイツにいる奥様に連絡してビオに関するインタビューにどう答えるか下準備をしてくださったとか。

 

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まず、ビオマークについては、いろんなマークがあるようで、見たことはあるが内容はわからないと、正直なお答え。ビオに関して言えば、ドイツでは慣行の牛乳は安すぎて、ビオの牛乳へと転換する酪農家が増えているというニュースが印象に残っているとか。

 

アーユルヴェーダのマッサージ師でありホメオパシーの信奉者である奥様は、長年、ビオの愛好家で、オーガニックスーパーで有名なアルナトゥーラでよく買い物をされるそう。また、オッフェンバッハには野菜や果物、肉、肉加工品、乳製品や魚まで買える大きな市場が毎金曜日にたつという。料理上手の奥様はここでもよく買い物をされるものの、マティアスさん自身は運転だけの担当。これまではあまり関心がなかったが、これを機に、車から降りてビオマーク付の商品を見てみることにするとのこと。

 

ビーガンについて聞いてみたところ、偶然にもフランクフルトの大学に行っている息子さんが半ビーガンだそう。なぜ「半」が付くかといえば、それほど厳しいビーガンではないからとか。1ヶ月ビーガン生活、次の月はベジタリアンと、交互に過ごしているらしい。週に一度、息子さんは帰宅されるが、その日の食事には肉は絶対出さないよう、奥様は気を配っているそうです。

 

 

執筆:中村 実代

 

 

 

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