今求められる企業の姿と認証の役割 環境・CSRと持続可能な社会に向けて(山口 真奈美)

4. CSRと認証の役割

まず「認証」とは正当性を検証する作業です。私は目的ではなく手段に過ぎないと言う表現を度々使いますが、企業の活動や商品について、消費者や投資家などが判断・選択するための情報を提供する方法だともいえます。

 
先ほどオーガニックコットンを事例に挙げましたが、環境・食品・森林・繊維・コスメ・フェアトレードなど認証の分野も多岐にわたり存在しています。そして、その基本となるものに「基準」の存在があります。その基準は業種を問わずトレーサビリティーや、環境・社会・経済の視点が網羅されていることが多く、すべてはその基準をもとに評価され、認証書の発行がなされます。企業の方はその業種に関係する認証があるかどうか、もしあればその基準をまず読み、自社が考える方針と合っているかを検討すると良いかも知れません。

 
それからもう一つ重要なのは、その認証がどのタイプなのかということです。自己宣言なのか、書類のみなのか、実地監査もあるのか、また製品に関わる場合ISOガイド65に規定に基づいているのかなどです。

 
ISOガイド65とは、製品認証業務を行っている第三者機関が、適格であり信頼できると認められるために遵守しなければならない一般要求事項を規定したものです。

 
国際的に認められている基準の多くでは、認証機関が取得企業を審査・監査するように、第三者認証機関自体も、実はその基準を策定した政府機関や団体から監査を毎年受けます。認証機関としての仕事に不備がないか、認証取得者との利害関係、公平かつ厳密に活動がなされているかなど、書類及び実地で監査されます。

 
このことによって、基準を作成する政府機関や団体は、基準の改定やロゴの管理、様々な利害関係者からの意見を取り入れながら、より社会のニーズに適応した認証を構築し、認証機関はその基準をもとに、第三者の立場で公平に審査・監査の実務を担います。このように役割を明確にすることによって、より信頼性のある活動を目指しているわけです。そして、今様々な分野の認証がありますが、社会の変遷と共にその内容や仕組みも更なる改善をしていく必要があると私は思っています。

 
また、CSRに取り組む別の側面として、リスクを回避するためのリスクマネジメントにもなることが挙げられます。例えば、日本ではあまり大きなニュースにならないこと多いようですが、前述のような環境・社会問題が明るみになった時、企業イメージの低下とブランドの損失、NGOなどからの指摘や抗議、消費者の不買行動による損失は計り知れません。特に大手企業は自主的な取り組みが最も求められますし、その委託先の企業や工場などに、環境・社会的要素についても自社のポリシーを伝え共に取り組むことによって、多大な影響力を及ぼします。その手段として認証が使われることも多く、世界全体での持続可能な社会へのシフトのためにも、企業の社会への影響力はとても大きいと言えるのではないでしょうか。

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