オーガニックコスメ今後のトレンドと国産ブランドのつくり方(手島大輔)

飽和する日本のオーガニックコスメ市場

2005年の薬事法の規制緩和措置により加速した、小規模事業者による海外からの化粧品輸入は依然増加傾向にあります。特にオーガニックコスメについては、一部の老舗を除けば海外でも大手ではなく零細企業によるものが多く、輸入元である日本の小規模輸入業者との思惑が合致し全世界の有名・無名の無数のブランドが日本市場に大量参入することとなりました。オーガニックコスメは日本では珍しく、海外ではまったく無名な零細ブランドやドラッグストアなどで販売されている大衆ブランドが、美しいショーケースに舶来品として飾られ販売されることになったのです。
日本の輸入業者は、ナチュラル・エコ・ロハスなどのブームに乗り、化粧品販売チャネルとして新たに拡大したセレクトショップやアパレルショップ、インテリアショップなどに求められる形で販路を広げ、ボディケアを中心としたアイテムの展開を図り成長しました。世界第2位の化粧品市場規模を持つ日本市場には、世界中から様々なオーガニックブランドが輸入され、現在売場は同等製品で溢れています。しかし2008年頃トレンドのピークを迎えたオーガニックコスメも2010年以降は市場成熟期となり状況が少し変わってきています。

 

イノヴェーターからマスへ

同じ売場には大小のブランドが混在し、以前には新しめのコンセプトとされた、洗練されたデザインの「ラグジュアリーなオーガニックコスメ」、最新テクノロジーとの融合の「機能性オーガニックコスメ」、日本の会社が企画して海外生産した「日本人のためのオーガニックコスメ」、海外からの輸入原料を日本で調合生産した「国産オーガニックコスメ」、オーガニック認証原料を一部添加した「オーガニック原料配合コスメ」なども最近では珍しいものではなくなってきてしまいました。
そして、一部の先進的な人のものであったオーガニックコスメは、現在より多くのマス層に支持されるものになっています。今までの売場に収まらなくなった新しいブランドは新しいチャネルに活路を求め、バラエティショップやドラッグストアなどより店舗数の多いマスチャネルに展開を始めています。また製品差別化が難しくなった市場成熟期には、拡販のためメーカーは低価格競争を行うため安価での購入が可能となり、さらにより多く消費者の手に渡るようになってきています。

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