野菜で色づけされた、クレヨンやキャンドル、粘土など。大人も子供も楽しくなるようなプロダクトをたくさん発信しているmizuiro株式会社は、青森県のデザイン会社。
本物の水の色は無色透明ですが、「水色」のイメージでは青い色。青く感じる水色(mizuiro)のように、新しい価値観の創造目指して、親子で楽しめる時間をデザインしていこうというのが、社名の由来になりました。
mizuiro株式会社が注目されるきっかけになったのが、「お米」の油と「野菜」でつくった「おやさいクレヨン」。「おやさいクレヨン」は「お米の油」と「野菜」でできた安心なクレヨンで、色も野菜そのものになっています。
おやさいクレヨンの完成までには、長いストーリーがありました。
mizuiro株式会社がある青森県は野菜の宝庫で、野菜たちの品質レベルが高く、とっても美味しい。 そんな野菜からできたインクや描画材があったなら、青森県の魅力を新しい形で全国にアピールできるのではないかと、思いついたのが始まりだったとか。
初めは、人参、ほうれん草、カシス、かぼちゃ、竹炭、にんにく、藍、唐辛子、クチナシ、紅花などのパウダーで試みられた「おやさいクレヨン」づくり。試作品の仕上がりの描き心地は、とても悪かったそう。
ボソボソとした描き心地で、ワックスと野菜粉末が混ざったカスが紙の上に残ってしまい安定して描けません。何が問題なのかを検証すると、野菜粉末の粒度があらいため微粉化する必要があると分かったそう。 また、製品の精度を補うために、顔料をわずかに入れる事にしました。
その後、微粒化に向けてさらに改良を重ね、クレヨンに適した野菜パウダーを作る事に成功しました。
カシスパウダー
パウダーを作るため農家へ訪れた際に、規格外などで出荷されずに廃棄されてしまう野菜が多くあるという現実も分かりました。できるだけ捨てられてしまう野菜を使う事で、野菜のリサイクルにつながっています。
さらに一般的なクレヨンの主成分は石油系のワックスを使っていますが、精米する時に生成される「米油(ライスワックス)」を採用。これが野菜パウダーとの相性も良く、描き心地もとても滑らかに仕上がり、「お米とお野菜でできたクレヨン」が完成しました。
おやさいクレヨン Season4:2,000円(税別)
あえて幼児向けにはしなかった、というパッケージデザインもセンスが良いものに。クレヨンの色には、色づけした野菜の名前がつけられています。3月下旬には、野菜粉末で着色され、色と香りも楽しめる「おやさいねんど」が新発売。大人にも楽しそうなクレヨンと粘土。遊び心をくすぐるプロダクトです。
おやさいねんど:1,200円(税別)3月下旬発売
mizuiro株式会社 http://mizuiroinc.com/
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |