GON Japan 中村実代がお届けする世界のオーガニック情報。イスタンブール・オーガニックツアーシリーズ第6回はイスタンブール唯一のヴィーガンショップecolife。元歯科医のオーナー、タルカン・アパリ氏にお話を伺いました。
オーガニックショップからヴィーガンショップへ
Vol.6で紹介したBALYAからタクシム広場に向かって10分ぐらいのところにあるecolifeは、イスタンブルで最初にオープンしたオーガニックショップとして有名なお店(2004年開店)である。
オーナーのタルカン・アパリ氏は元歯科医という異色の経歴だ。私たちが訪れたのはすでに夕方遅くなり閉店間際という時間であったが、幸いにももう来客はなく、ゆっくりお話をうかがうことが出来た。
一年前に、酪農製品も摂取しない菜食主義のヴィーガンショップ(Vegan Dükkan、dükkanはトルコ語でお店という意味)に衣替えした。ヴィーガンショップへの変更は、進取の気風をもつアパリ氏の性格からのようだ。
2004年に開店したときはイスタンブルにオーガニックショップはなかった。しかし、今ではオーガニックスーパーやオーガニックを冠する専門店も増え、普通のスーパーや高級品ショップでもオーガニックが取り扱われるようになった。このような狭い店では取り扱う商品も限られている。オーガニックショップが多くなると差別化が必要だ。そして、はたと思い当たった:イスタンブルにヴィーガンショップはないじゃないか!
何か新しいことがしたくて歯医者をやめたのです。
そして、このヴィーガンショップに行き着きました。
とのことである。
アパリ氏のお店に対するコンセプトは、イスタンブル唯一のオーガニックヴィーガン専門店として、ヴィーガンが求める商品を集めること。そういう意味で、店で扱う商品の選択には最大限配慮している。有機野菜原料の食品という観点だけでなく、人にも自然にもやさしい再生可能なもの、動物虐待をしていないものという見地からも厳選する。
ターゲットを意識した品揃えとネットショップ展開
お店は一人で管理できるくらいの広さ(15平米ほど)しかないが、品数は多い。店の左右の壁に天井近くまで展示棚が並び、真ん中に展示テーブルが置かれている。扱っている商品は大豆加工品や紅茶からハーブティ、緑茶までの様々なお茶類、豆乳やライスミルク、ジュース・ジャム、ドライフルーツなど厳選したヴィーガン向け加工食品、洗剤、パーソナルケア用品など。
ただ、ヴィーガンには女性が多いこともあって、女性が使う洗剤やパーソナルケア、化粧品関係は豊富な品揃えで、メイク用品まであった。メイクまであったのはここが初めてだった。そばにはさりげなくオーガニックコットンのクレンシングシートまで添えられていた。
厳格な菜食主義ヴィーガンを対象とするようになってからは、お客様は近くにいるとは限らないので、商品はインターネット販売にも力を入れている:http://vegandukkan.com/index.php/
日本に興味がありますかとお聞きしたら、ここにも日本由来のもがありますよと豆腐や寿司のり、緑茶を示してくれた。
豆腐には森永のロゴとmorinagaの表示があったので日本製かと思ったらアメリカにある森永の健康食品製造会社のものであった。グルテンフリー、保存剤・GMO原料不使用となっていてEUのオーガニック認証マーク付きである。349gで価格は15トルコリラ(750円ぐらい)。
寿司のりは韓国産であった。GOLDと称しているだけに、海苔の色味も黒く、上質のもののようだ。店の片隅には日本の湯のみなども並べられていて抹茶は量り売りされていた。
vol.6でご紹介したBALYAにも招き猫だけでななくて本物の猫もいたが、ここにもやはり猫がいた。アパリ氏に、猫もヴィーガンですかとお聞きしたら、僕が肉類のエサを上げないもんだから隣の肉屋に出没しているようです、と苦笑いしながらおっしゃった。
Ecolife Vegan Dükkan
http://vegandukkan.com/index.php/