映画「ハニーランド」 ヨーロッパ最後”の自然養蜂家の女性に迫る自然ドキュメンタリー

©2019,Trice Films & Apollo Media

ギリシャの北に位置する北マケドニアの首都スコピエから20キロほど離れた、電気も水道もない故郷の谷で、寝たきりの盲目の老婆と暮らすヨーロッパ最後の自然養蜂家の女性が主人公の驚異のドキュメンタリー映画が日本でGWに公開されます。

「半分はじぶんに、半分はあなたに」それが持続可能な生活と自然を守るための信条

蜂達が蓄えた蜂蜜を有難いと喜ぶも半分だけ頂くことで、蜂との共存を続けてきた主人公のハティツェ。

突然トレーラーで押し寄せた見知らぬ家族、子ども達との交流、貧欲と病気、破壊と再生…3年の歳月と400時間以上の撮影から生み出された、人間の、自然の、存在の崇高さと美しさに満ちた作品は、世界中で賞賛を浴び続けています。

国際映画賞部門にドキュメンタリー映画がノミネートされるのはアカデミー賞史上初の快挙であり、本作が如何に素晴らしいかを語るに充分ではないでしょうか。

©2019,Trice Films & Apollo Media

自然と人類がどれほど密接に絡み合っているか

北マケドニアの首都スコピエ出身のリューボ・ステファノフ監督と北マケドニアのプリレプ出身のタマラ・コテフスカ監督は、こう語ります。

ハニーランドの物語は、人間がこの地に住み着くずっと以前から始まっていますが、私たちの物語は、この地の最後の住民であるハティツェと母親のナジフェから始まります。

働き蜂が巣を離れることのない女王蜂の世話をして生涯を過ごすように、ハティツェは盲目で麻痺のある母親の世話に自分の人生を託し、倒壊しそうな小屋を離れることはできませんでした。

この映画の舞台は、特定の時間や地理というものに縛られない超自然的な光景を呈していて、通常の道路では到達出来ないのですが、最も近い近代的な都市からわずか20kmしか離れてないのです。

二人は古代トルコ語で話していて、映画は対話よりも視覚的なナレーションによって進められます。キャラクターはボディランゲージと彼らの関係性、そして感情によって理解されるのです。この視覚的そして直観的なコミュニケーションによって観る人はハティツェに近づき、更にもっと重要なことに、自然に近づくのです。それは、私たち人間が、同じように環境から影響を受ける多くの種の中の一つに過ぎないという感情を生み出します。

国連生物多様性条約(CBD)である名古屋議定書が1993年に発効し、天然資源へのアクセスい関するグローバルガイドラインが確立されました。その目的は資源すなわち土地、植物、動物と、ユーザーすなわち人間との公正で公平な利益の共有促進が目的でした。

遺伝的多様性や生物多様性によって人々は環境変化や気候変動い適応し、資源の保全と持続可能性に貢献できるのです。この映画における「ハニークライシス(蜂蜜危機)」は、こうした協定の無視と生物多様性を尊重しないことのリスクを描き出しています。

ハティツェの物語は、自然と人類がどれほど密接に絡み合っているか、そしてこの基本的なつながりを無視した場合にどれほどのものを失う可能性があるかという、大きな命題の縮図なのです。

上映は、5月1日から吉祥寺アップリンクなど。

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