『ニッチからメインストリートへ!オーガニック市場はどこへ向かうのか』というタイトルでIFOAM理事長キャサリン・ディマテオ女史を始め認証機関や有機ビジネス専門家が集まってプレゼンテーションを催行したが、世界では今や、有機食品も普通の食品と同等の時代を迎えている。たとえば、「日本で開催されるアジア最大の食品展フーデックスの総展示面積はおよそ5万4千平米だが、世界最大のビオファの食品部門の展示面積はそれをはるかに上回る7万7千平米だ。出展社数を比べてもフーデックスは64ヵ国2,450社だが、ビオファの食品部門は86ヵ国2,300社。幕張のあのフーデックスよりも広いスペースにほとんど同じ規模の出展社で、オーガニック食品ばかりが紹介されるのだから、オーガニック食品は「限られた製造方法で作られた限られた食品」という日本人の意識は、世界に大きな遅れをとっているといえるのではないだろうか。
展示される食品の種類も、有機畜産や水産の認証が外国では日本よりも広く行われているので、ビオファでは通常食品とほとんど同じものがオーガニックでもあるという状況だ。ビオファの食品部門の食品カテゴリーは次のようになっている: 1.主食、2.野菜・果物、3.スパイス・調味料も含めたデリカテッセン4.手軽に調理できるコンビニエント食品、5.肉・加工肉製品・魚肉、6.牛乳・乳製品・卵、7.冷凍食品(アイスクリームも含む)、8.パン・焼き菓子・菓子・ペースト、9.飲料(ワインなどのアルコール飲料も含む)。スーパーで扱う商品をほとんど網羅しているといえよう。その年の優れた新商品に与えられる賞も今年から各カテゴリーごとに授与された。このことは、各カテゴリーともそろって商品が充実してきたからだと思われる。
各カテゴリーの品目明細も通常商品と変らない。非常に豊富な商品展開となっている。たとえば、日本人は、米はおかきやあられなどの米菓子以外はご飯にして食べるものだと思い込んでいるが、米を主食にしていない国々では実にさまざまな加工品が作られている。今年の主食カテゴリーの1項目米製品の出展社数は、なんと155社もあるのだ。ご飯用のお米として米自体を展示しているのは日本や、インドのパスマティライス、タイなどの黒米や赤米などわずかで、ほとんどがライスミルクやドリンク(それもさまざまな味で)、ライスミルクアイス、粥(ただし、日本のと違って甘い味付け)、ワッフル、米粉のように米そのものを加工した食品や、シリアルやクネッケの一材料として米を加えたり、ライスシロップを加えてパンに塗るペーストにしたり、日本人が思いもかけない商品となって紹介されている。これらの商品を見ると、日本人はもっとお米を加工して商品化すべきだと思い知らされる。現在、牛乳アレルギーで、ミルクを飲めない赤ちゃんが増えているとか、ライスミルクはどうだろう。大人にはライスシロップやライスミルクアイスクリーム。工夫すれば日本のお米の自給率を上げることができるかも知れない。
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