チャネル構築のポイント
いくら良い製品でも、便利に買えるところで売っていないと買ってもらえません。日本市場の販売チャネルとしては、小売店販売、通信販売、業務用販売など多様な流通経路がありますが、今回はメーカーや輸入代理店が小売店舗を通じて販売するという設定で、いくつかのポイントを挙げていきます。
小売店チャネルの探し方は、書籍「日経MJトレンド情報源-マーケティング・ハンドブック・日本経済新聞出版社」(小売業や卸売業の情報が細かく掲載されている)、「競合他社製品のホームページの取り扱い店舗リスト」等を活用します。小売店へのアプローチ方法は、売り込みのためのDM(手紙)を自分で作り送付し返答に答えるという方法が効率的です。DM内容は、この事業に対する自らの想いやメッセージ、「ターゲット、ニーズ、独自能力」の軸でまとめた事業領域・コンセプトの説明がシンプルに表現されているコピー、写真や連絡先等が記載されているものです。他のDMの中でぱっと目立つ体裁と見た人が興味を持ち乗らなきゃ損だと思える内容にブラッシュアップすることが大切です。それをアプローチしたい店舗やバイヤー等にメール、FAX、郵便等を使い送ります。返答が来たところに会いに行き説明、そしてお話を伺います。返答なければ、DM内容の再検討から繰り返します。どうしても扱っていただきたいお店等には、初めから直接お願いしに行くことも有効です。次に、小売店の間に卸機能が必要となる場合の卸売業者の探し方ですが、自分で探さず小売店のバイヤーに、どこの卸売業者がよいか聞く方法もあります。もし、メーカーや輸入元である場合、自分が国内卸売業者に扱ってくださいとお願いするよりも、卸売業者のお客さまである小売店バイヤーから紹介してもらう方が良いことが多いです。そして卸売業者や小売店が満足する建値設定も忘れずに行います。流通の多段階性は日本市場の特異性でもありますが、流通パートナーの利益も考えたチャネルの組み立ては慎重に行う必要があります。
また、小売店選択順位の留意点ですが、「置いてもらうのに難しいお店、影響力のあるお店から順番に置いてもらう」ことが大切です。特にファッション製品などの高付加価値製品にいえることですが、あの店に選ばれたという信用も得られ、同じ製品でもメディア等で取り上げられ方が変わり、イメージも向上、宣伝にもなり注目され、結局扱ってもらえる店舗数は増える良い結果となります。くれぐれも逆はないので注意が必要です。安易さや目先の売上に流されず、難しいところから製品配下をすることが重要です。
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