日本市場におけるオーガニック・ナチュラル関連製品(手島大輔)

オーガニック・ナチュラル関連製品 マーケティングのポイント

近年多くの食品や雑貨、洋服、化粧品などで、自然素材をもちいたものが日本市場でも求められる様になってきました。しかし、世の中全体におけるオーガニック・ナチュラルを売りにした製品販売シェアは依然低い状態です。その大きな理由は、限られた流通により買い求めにくい、また価格の高さの背景にあるその製品の良さがうまく消費者に伝わっていない、という現状があります。

これからの時代にオーガニック・ナチュラル関連製品を市場に拡販していくポイントは、以下の2点に尽きるでしょう。①販売チャネルを計画を持って考え、様々なチャネルを組み立てて流通させていくこと。②製品作りの背景を消費者に伝えていくこと。

①のチャネルの組み方については、流通上のパートナーとともに商品をターゲットに届けるという点で建値の設定や販路構築等も含めた施策が必要となります。②の情報伝達については様々なコンテンツと親和性のある媒体を組み合わせ、それぞれが相互作用してよい方向に向かうような緻密な計画とマネジメントが結果を左右します。そして、様々なメディアが進化している現在において情報発信方法は日々刻々と変化していきますので、様々な新しい方法を模索していくことが必要となります。

以上のやり方はとても基本的なものですし全ての業種や製品に当てはまりませんが、どれか一つでも参考になればと思います。いずれにせよ冒頭に述べたように大切なことは、自分にしか出来ない取り組みや製品でどれだけ人々に感動を与えられるか、多くの人を幸せに出来るかを日々追及していくことです。何をするにも制約はありますし、出来ない理由を並べることは誰でも出来ます。やると決めたなら執念で、CanかCan not(出来るか出来ない)ではなく、WillかWill not(やるのかやらないのか)という強い意志と情熱をもって取り組まねばなりません。そして自分だけでは出来ないことは外部の人の力も借りながら、スピードを持って進めていくことが重要です。この混沌とした市場の中で自社が一歩抜け出すためには、その取り組みに一日も早く着手する必要があります。

 
出典:BioFach Japan 2008 公式ガイドブック
執筆者:手島 大輔

PROFILE:
(株)トライフ 代表取締役 障がい者支援団体セルザチャレンジ代表 中小企業診断士
トーマツコンサルティング(株)等の勤務を経て、2005年にベンチャー企業にてオーガニックコスメブランド「アグロナチュラ」の立上げを行う。ゼロベースから発売後9ヶ月に市場価格で約10億円の売上の日本を代表するオーガニックブランドとする。2006年独立。複数のブランドプロデュース、コンサルティング、OEM生産受託、世界中のオーガニック植物原料の輸入販売事業を行う。2009年障がい者自立支援団体「セルザチャレンジ」の立上げを行い福祉とビジネスの融合に向けた社会起業活動も開始。

(株)トライフ ホームページ URL:https://sites.google.com/site/trifeinc/

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