ドイツやオーストリアを中心に、「ビオホテル」の人気が高まっています。ヨーロッパに行ったらいつかはオーガニックホテルに宿泊したいと思っている方も多いでしょう。
ここに、2012年のドイツ・ニュルンベルクのオーガニックの見本市BioFachに参加した「自然と農業」誌の視察団一行が宿泊したというミュンヘン近郊のホヘンベルチャにある Biohotel & Tafernwirtschaft Hörgerについて、 「自然と農業」誌の了承を得て、ご紹介します。
Biohotel & Tafernwirtschaft Hörgerは BIO-Hotels というドイツのオーガニックホテル協会に登録されたホテルで、1878年に建てられた (その後宿泊棟等は増改築された) 歴史あるホテルである。リンゴ畑の中にあり、ホテルのロゴマークもリンゴを模したデザインである。BIO-Hotels に登録されたホテルは、ドイツ・オーストリア・イタリア・スイス・フランスの五か国に約70か所あり、独自の基準を設けてリーフ(葉)の数で四段階にランク付けされている。トップレベルの「五リーフ」は、すべての農産物はオーガニックで、穀物は地元産のものから選ぶこと、魚やジビエ肉は流通業者を通さずに直接漁師や猟師から仕入れていること等、かなり厳格な基準をクリアしたホテルのみに与えられる。
Biohotel & Tafernwirtschaft Horger は五リーフのホテルで、レストランと宿泊棟に分かれている。レストランのみの利用も可能で、レストラン目当てで来る利用客も多いという。宿泊当日もレストランはあっという間に満席となった。
もちろん料理の素材はすべてオーガニック。この日のメニューはドイツの伝統的な料理の豚のローストとクネーデル(ジャガイモ団子)だった。
パスタスープが日本のうどんみたいでなつかしい気分!
敷地内には、現在は使われていない古い牛舎があった。以前はここで家畜を飼っていたことがうかがえる。部屋の床やベッドには無垢材が用いられ、新しく温かい雰囲気である)。
シャンプー等のアメニティーも、有機認証を取得したものを置いてあった。
近年、ヨーロッパではこうしたビオホテルの人気が高まってきており、結婚式を挙げたり、長期休暇を利用して家族で滞在したり等、さまざまなニーズがあるという。
「自然と農業」誌に掲載された畜産コンサルタント編集部 岩東香織さんの原稿を基にしました。
ヘルガ―・ビオホテル
Hörger Biohotel Tafernwirtschaft
E-Mail info@hoerger-biohotel.de
http://www.hoerger-biohotel.de/
自然と農業
株式会社木香書房が発行している環境保全型農業を目指す人を対象とした季刊専門誌です。木香書房は1924年に設立。80年を超える歴史を持つ農業 関係の出版社で、養鶏関係の技術専門誌月刊「鶏の研究」も発行しています。また、定期的にオーガニック関係の海外視察や、食に関するセミナーを開催。当 GONとはニュースや文献への投稿でご協力いただいています。
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