東京・渋谷ヒカリエで10月22日~24日まで開催されたB2Bの展示会PLUG IN(繊研新聞主催)のエシカル/フェアトレードと環境に配慮した地場産業支援のコーナーから、最後はLOHAS WORLDのゾーンに並べられていたトキージャ帽をご紹介しましょう。
写真を見たら、なんだ、パナマ帽じゃないか、と思われたでしょう?
そうなんです。日本でも世界でもパナマ帽と言い習わされています。
でも、ほんとうは、パナマで作られているんじゃないんですよ。赤道の国エクアドルで作られているんです。
通気性が高く、暑い気候に最適だったこの帽子を、20世紀初めにパナマ運河建設労働者が炎天をしのぐためにかぶっていたことから「パナマ帽」という名称が世界的になってしまいました。
古代から衣類や帽子にトキージャ椰子繊維を使うという長い伝統を伝えるエクアドルでは、2012年12月にトキージャ帽がユネスコの無形文化遺産に登録されたことを契機に、政府がこの帽子の名称「トキージャ帽」のプロモーションに力を入れ始めました。
この運動を日本でサポートされているのが株式会社テイクゼロの近藤さんです(写真下)。
エクアドルではおよそ3,000世帯がトキージャ帽の生産に従事しています。
原料のトキージャ椰子の茎は繊維化され、帽子には茎の内側の繊維だけが使用されます。
繊維を入れた釜を薪で煮て、天日乾燥させ、薪で燻し、漂白、洗浄、アイロンプレスなどの工程を経て織り上げます。
ほとんどの工程を手作業で行い、織り技法も家庭ごとに受け継がれて帽子は作られています。一個編み上げるには1日から8ヶ月かかるのもあるそうです。
精巧に織られたトキージャ帽は、所有者が生涯持ち続けることができるほどの耐久性がある一方、柔軟性があるので好みの形状に変えることができます。他の帽子と比べ非常に軽く、重量は平均90グラムほどでしかありません。
値段は数千円から100万円超までと品質により大きく異なりますが、気に入ったものを永く愛用したいという人には、暑い日本の夏にはぴったりの帽子と言えますね!
同じブースでコーヒー豆の使用済み麻袋をサイクルアップしたバッグやハンチングが紹介されていました。ふんわりとしたその質感が素敵だったので思わず写真に収めました。麻袋の文字も残っていて、いかにも1点レアもののハンチングでした!
株式会社テイクゼロ:http://holidaysurfriders.com/
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