1月に紹介した「見て・聞いて・体験する!福島県食の復興応援ツアー」が3月14日・15日に実施されました。東日本大震災から4年目。改めて原発事故に向き合うことになった“復興ツアー”への参加。その体験レポートを2回に分けてお届けします。
このツアーは、東京で環境保護活動をしている「NPO法人あそんで学ぶ環境と科学倶楽部」と福島県がタッグを組み、近畿日本ツーリストとともに企画を練ったツアー。首都圏の消費者に風評被害にあっている農産物への安全対策を理解してもらうことを目的としています。
申込開始から一週間もせずに定員40名をオーバー。最終的には、バス2台をチャーターし、スタッフも含めて総勢約80名が参加しました。
初日は東京駅に集合。まず車内で「NPO法人あそんで学ぶ環境と科学倶楽部」の代表・中林さんからこのツアーの目的、さらにこれから向かう郡山市湖南町の魅力をたっぷりと伺いました。
▲主催団体の代表:中林さん
走行4時間ほどで到着した所は猪苗代湖南岸に位置する湖南町です。
▲猪苗代湖は一面の雪景色
福島県は奥羽山脈と阿武隈高地の2つの山地 によって、会津地方と中通り、浜通りの3地域に区分されます。湖南町のある郡山市は中通りにあり、浜通りの東端にある福島第一原発の西側に位置してます。
▲福島県消費生活課の方のお出迎えを受けました
原発から阿武隈高地で隔てられた湖南町においては、事故当初から法律で定める一般人の1年間の被曝許容線量の1ミリシーベルトを超えることは全くなく、ほぼ東京と同レベルだそうです。当日も公民館の入り口の測定モニターでは「0,04/時マイクロシーベルト」という値でした。
▲常時放射能測定しているモニター
福島県の職員さんにお出迎え頂き、早速、湖南町で農業法人を営んでいる「美農然」で収穫した“こがねもち”での餅つきを楽しみ、さらに出来上がった餅の昼食をいただきました。
▲ずんだあん・きな粉・大根おろしの餅、そして手作りの素朴なたくあんがおいしかったこと!
その後、エコファーマー基準を大幅に下回るレベルの減農薬と有機肥料で生産している「美農然」の斎藤さんから生産から出荷の説明があり、さらに福島県職員さんから放射能線量測定をしている現場の写真を使って、生産流通各段階での放射能検査の実態の説明がありました。
▲「美農然」の斎藤さん
湖南町では、事故後出荷時の検査から放射能汚染された農産物は一個たりともないとのこと。それでも不安を持たれる消費者のために、「美農然」では、さらにあえて正確で検査基準の厳しい『同位体研究所』へ依頼をして出荷する全商品の検査報告書を作成してもらっているそうです。
「美農然」の活動と生産農産物の素晴らしさを実感するあっと言う間の3時間。「美農然」収穫の“あきたこまち”の米5kgをお土産にいただき、公民館を後にしました。
▲放射能検査結果問合せ:福島県・ふくしまの恵み安全対策協議会のラベル付
夜は猪苗代湖を北上した磐梯熱海温泉「フードアクション・日本 食べて応援しよう!賞」を3年連続で受賞した「ホテル 華の湯」にて、福島産農産物をふんだんに使ったお料理と飲み物をビュッフェスタイルで。福島の食をこころゆくまで味わいました。
連絡先
NPO法人あそんで学ぶ環境と科学倶楽部
美農然
美農然の店舗情報はこちらから
福島県・ふくしまの恵み安全対策協議会
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