いろんなメディアで、オレゴン州のポートランドが注目されています。もとは工業都市だったというポートランドは、今ではDIYやオーガニック、サステナブルをキーワードに語られる自然豊かな環境都市。
ポートランドは、1971年には全米で初めてガラス瓶のリサイクルと換金が法律で義務づけられました。その後、1993年には地球温暖化に対する政策が打ち出され、人口と経済を伸ばしながら二酸化炭素の排出量を削減し続けることに成功しています。
豊かな自然に囲まれているコンパクトシティで、大手のスーパーは介入していません
ポートランドには、「都市成長境界線」とそれを管轄する「メトロ政府」と呼ばれる広域自治体があります。そのため、景観保全と産業や住宅の開発のバランスが保たれているそう。「都市成長境界線」は、自然の美しさが損なわれないよう開発を一定の区域内でしか行わないことを保証し、中心部から遠くない場所で農業が営まれることが約束されているものです。
「都市成長境界線」の目的は農地と自然を守ることだとか。ポートランドには、いつでも新鮮な野菜を購入することができ、ファーマーズマーケットも開催されています。ヘルシー志向が強く、ローカルグルメがブームで旬の野菜や果物を楽しむ人々が多いのです。
出典http://mommy2010.seesaa.net/article/269899052.html
ファーマーズマーケットにはたくさんの人々で賑わっています
ローカルなオーガニック志向はスーパーマーケットでも。「New Seasons Market」は、パシフィック・ノースウエストで採れた旬のオーガニック食材を中心に販売するスーパーで、2000年にポートランドに第一号店がオープンしています。
「New Seasons Market」では、食材だけでなく化粧品やシャンプーまでナチュラルなものが揃っています。申し込みをすれば、健康・栄養について学べる各種クラス、店内ツアーが無料で開催されているそう。
(参考:http://noren3.com/live/new-seasons1/)
出典http://ameblo.jp/yummywalk/entry-12024857432.html
自転車や公共の乗り物を利用する人たちが多い。自転車の利用者は全米一
ポートランドは、地域のミーティングやワークショップなど若い人から老人まで参加して行われています。すべてが、議論して決められているのです。市民や企業が参加する、という都市開発の仕組みもできています。
美しい川が流れている地形
ストリートには、たくさんのカフェがあって、いつでも雨宿りできるステキな環境。
「ポートランダーは、ライフスタイル重視の人が圧倒的に多い。自然を愛し、多少不便であっても車に乗らずなるべく歩き、自転車やバス・電車を使う。家は自分で手直しして、買い物はすこし値が張ってもなるべく地元で採れた野菜や果物、そして地域の企業が作った製品を購入する。
個人が見栄を張って競いあうのではなく、自分たちのコミュニティを良くするためにネイバー(隣人)と一緒に考える。」
(引用文献:ポートランド ―世界で一番住みたい街をつくる 山崎満広 /学芸出版社/p.33)
日本でもそんな人々が住む新しい“まちづくり”、グリーンシティを目指した取り組みが始まっています。
参考文献:ポートランド ―世界で一番住みたい街をつくる 山崎満広 /学芸出版社
執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |