ドイツ・BioFachに参加して(林 慶子)

3つ目に、出展物は有機認証のものでなければならないという決まりがあり、認定証を事前に提出するのですが、出展中も持っているよう予め指示を受けていました。これだけ広い展示会場を一つ一つチェックにくるわけがないと高をくくっておりましたが、出展中、本当に監査員がやってきて、展示物の有機認定証を確認していくのです!当たり前のことなのかもしれませんが、出展社は2,544社・・・出展社の立場になって初めて知り、その運営体制の徹底ぶりに感心し、驚きました。

 
最後に、4日間の展示会終了後、展示品で余った食品は回収され、孤児院などの施設に寄付されます。こういう制度も本当に行き届いていて、やはり20年の歴史を感じました。

 
7年前、私が初めて訪れた時は、日本のメーカーさんが独自で出展されていたところはなかったと記憶しております(商社さんなどはありましたし、もしかするとあったかも知れませんが、1つ2つの規模であるのは確かです)。それが、今年は初めて日本の共同ブースとして出展できたということは、本当に大きな進歩だと思います。4日間、日本ブースにはたくさんの人が集まり、鋭い質問を浴びることもしばしば。「日本食ブーム」が落ち着き、彼らの生活に根付き始めたことを感じました。ようやく良さを知ってもらった日本食品に、今後は「有機」という付加価値をつけ、更に現地の人々が気軽に手に取れる環境づくりを行わなければなりません。

 
今回の展示会において、唯一残念だったのは、1つの国“日本“として有機食品への取り組みが感じられなかったことです。世界各国が大きなブースに自国の名前を掲げ、国の取組みとしてアピールしている風景を目の当たりにし、日本食=健康のイメージを上手にアピール出来ればと思いました。今後の有機日本食品にますます期待を募らせた4日間でした。(帰宅後、4日間ブーツで立ち続けた足はパンパンで使い物になりませんでした。履物は気楽なものをお奨め致します。)

 
出典:BioFach Japan 2011 公式ガイドブック
執筆者:林 慶子

PROFILE:
貿易商社にて10年間日本食輸出を担当。その際有機食品と出会い、2007年JOIA/IOIAオーガニック検査技術講習会を受講。現在では、有機JAS検査員として関西を中心に検査活動に従事。NOPやEU基準の検査、コンサルタントも行い、日本食品の輸出活動のサポートを継続。

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