事業提携、ドイツ以外の国々の通常のスーパーチェーンへの卸し
ドイツのオーガニック食品の市場調査結果を見ると、最も人気の高いブランドはほぼ全商品種でラプンツェル社製(店舗展開をせずオーガニック製品の製造加工業にのみ従事)となっています。ドイツのオーガニックショップであればどこの店舗でも手にすることのできるこの会社の商品種は、alnaturaの商品種をはるかに上回る充実した品揃えとなっています。alnaturaの商品構成はラプンツェル社と似ていますが、ラプンツェル社の製品を押しのけてドイツのオーガニックショップの棚に並ぶとことはありえません。それゆえalnaturaでは、ドイツ内のオーガニックショップへの卸しを全く行わず、自社店舗での販売、さらにはDMとtegutへの商品卸しに特化してきました。今後はスイスのスパーチェーンMigroへの卸しに見られるように、ドイツ外の国々のチェーンストア(オーガニック専門店以外)との業務提携を推し進めてゆくのではないかという見方が強まっています。
商品開発における新戦略、栄養補給剤の製造やテキスタイル商品の開発に着手
レーン氏自身は成功の理由を、「経済的な成功のために小売業を行ったのではなく、種を撒いたので刈り入れをしなければならなかったと言えるかもしれません。」とやや謙遜気味に語っています。しかし、やらなければならないことをやっただけですというこの叙述の裏には、理論と実務で研鑽を重ねてきたレーン氏の必要のある事業計画は到達できるまでやり続けますという決意とも取ることができます。高品質でナチュラルな栄養補給剤の開発のために、2000年にalnavit有限会社を創設し、新たな商品分野の開拓を図ります。かねてよりビタミン剤やミネラル、ジュース、各種スナック、グルテンフリーの製品等への潜在ニーズは高いとされていましたが、同分野で魅力的な新商品を開発することで更なる成長を試みます。また、エジプトのエコロジカルな企業と共同でナチュラルテキスタイルの製造にも乗り出しました。このようなalnaturaの一連の取り組みが認められ、継続性やフェアトレードを鑑みた各賞を受賞しています。今やドイツのオーガニック業界を代表する経営者の一人となったレーン氏ですが、2007年からはアラヌス大学の経済学の教授として教壇にも立たれています。
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