年中無休・24時間営業なのでシャッターなし! 福岡のオーガニック&無添加コンビニ《マキイ》

もう20年以上も前のことですが、当時のドイツ農産物振興会が主催して、日本各地のデパートでドイツ食品展を催行した際、東京以外で一番売り上げがあったのは大阪や名古屋ではなく福岡でした。福岡の消費者の食に対する関心と購買意欲の高さが非常に印象的でした。

このことを福岡の「自然食品店マキイ山荘通り店」のチーズ売り場を見た時に、鮮やかに思い出しました。そこには、都心のどこの自然食品店よりも多品種のチーズが溢れんばかりに並べられていました。

こんなに多くの種類の商品を提供する店があり、それをしっかり購入する消費者が、やはり、ここにはいるんですね。

 

お盆を控えた多忙な8月9日(金曜日)に、年中無休・24時間営業のオーガニック&ナチュラルのコンビニ形式のスーパーマーケットを運営する「有限会社マキイ」の代表取締役牧井 忠(まきい ただし)さんを訪ね、5000品目を越える九州一の品揃えで、お客様の要望にこたえるお店のコンセプトやこだわりについてお話しを伺いました。

 

原点は父親の「田舎のコンビニ」

1971年、魚市場への就職から食品ビジネスへの関わりをスタートさせた牧井さん。糸島の漁師町の実家で父親が昔の「よろずや=コンビニ」のような店をやっていたことを拠り所に、福岡市城南区の笹の台団地に八百屋を開店したのが1975年でした。

団地の吹きさらしの集会所に開いたお店でしたが、他には全然お店がなかったので、住人には喜ばれたそう。

「有限会社 マキイ」代表取締役の牧井氏

その後、野菜以外の食品知識吸収のためにマイショップというボランタリーチェーンに加入したりなどして食品販売事業者としての経験も積み、1980年、釣り具のダイワの倉庫だった現在の場所に店舗を構えました。

 

ナチュラルハウスで品揃えを学ぶ

オーガニックや無添加など、こだわり食品への開眼は、それからさらに4年~5年後。取引していた味噌屋さんの東京出張に同行して、紀伊国屋、三浦屋、シェルガーデンなど、さまざまな店舗を見て回りました。

とりわけ、「ナチュラルハウスを見て、お客様のために『本物』を届けるにはこういうやり方があるんだ」、と衝撃を受けました。現在のマキイは、そこからのスタートだったそうです。

それから商品の見直しを始め、必ず、商品の裏のラベルを見て成分を精査しました。たとえば、果糖液糖、カラメル色素、亜硝酸ナトリウム、アミノ酸等は完全排除。こうして、「心をこめて作られている」「美味しくて、体に優しい」という観点から、納得できる商品へと漸次切り替えていきました。

その過程では3割ぐらいしか商品が残らない棚もあり、売り上げが落ちたそう。それでも、そのわけをお客さまに丁寧に説明し、納得してもらいながら、現在の品揃えとなったのです。

野菜や米は自社農園で自然栽培しているものを核に、お客様の要望も強いので、なるべく自然栽培のものを仕入れるようにしていますとのこと。

 

コンビニとして、いつでも、何でも、選べて買える便利さを追求

「お客さまに嘘をつきたくない、産地直送の旬の美味しさを届けたい、なにより次世代の日本人が安心して食べられる本物の味と商品を伝えていきたい」というマキイ。その商品をいくつかご紹介しましょう。

 

牛乳・飲むヨーグルトの棚には、自然食品店常連の木次牛乳や中洞牧場の製品はもちろん、唐津の村山牛乳や地元糸島・中村牧場の伊都物語、嘉麻市・白木牧場、北海道河西郡中札内村にある想いやりファームの生乳や群馬県・前橋市のタカハシ乳業の有機牛乳など、いいものとなれば全国から特色ある製品が取り寄せられています。

京都・南丹波のるり渓やぎ農園のやぎミルクややぎヨーグルトまで。やぎ乳は牛乳に比べてアレルゲンが少ないといわれますので、牛乳アレルギーの方やアトピーの方には根強い支持があるようです。

 

ハム・ソーセージの棚もこんなに品数豊富。これでも成分チェックの際に品数は3割に減ってしまったとか。岐阜県の山のハム工場ゴーバル、長崎県・五島牧場の放牧豚、同じ長崎県のドイツ風手作りの店Gris Hause NAGASEや岩手県一関市・アーク牧場の製品など、こだわり抜いた製品が並んでいます。

別に生ハムやサラミのコーナーもあり、牧井社長がイタリア訪問で知ったという、オーガニックを基本とする信頼できるイタリアの生産者の製品が並べられています。

 

添加物無添加は当然ながら、熟成期間にこだわった醤油や酢のコーナー。たとえば、醤油では最低でも1年半は寝かせているという四国・香川のかめびし醤油。地元・糸島の北伊醤油の濃口は3年半も寝かせているとか。手間と時間をかけた昔ながらの製法で作られたものが集められています。

 

お砂糖は一切使用しないというのがマキイのお惣菜。しっかりと出汁をとっておけば砂糖は必要ないそう。「余計な調味料に邪魔されない、各食材自体のうまみをじっくり味わって欲しい」と、牧井社長。

砂糖を抜くので一番苦労したのは、すし飯だったとか。試行錯誤し、たどり着いたのが京都・宮津の飯尾醸造の赤酢。非常に高価ながら、最強のコクが出るというプレミアムを採用しました。

 

2つの販売台いっぱいに並べられたパン売り場も充実。日々焼き上げるパンは、保存料や化学調味料は一切使わず、北海道産小麦、エキストラバージンオリーブオイルを使用しています。カスタードクリームまで自家製というこだわり。

今日のパン担当の原野さんは「天然酵母を使用したパンからドイツパンまで幅広く揃え、すべて手作りしています」とおっしゃっています!

 

一般に、お米というと品種改良を重ねられたコシヒカリやヒトメボレ、九州ではヒノヒカリが好まれていますが、マキイでは品種交配していない「アサヒ」という品種のお米の種を佐世保の生産者から分けてもらい、自社の田んぼで「自然栽培」で栽培しています。


明治の初めは、福岡県で243種類ものお米があったそう。少人数で広い田圃を回すには、早生、中生、晩生と、時期をずらして栽培していました。それが台風対策にもなったそうです。少なくても1軒の農家で4種類は植えていたとか。最近、品種交配以前のお米に関心を持つ筆者には勉強になりました!

 

このように、マキイで扱う商品は国内・外問わず、牧井社長の選択眼にかなったこだわり商品ばかり。いつもお客さまの満足のために商品を充実させたいとの想いがあり、あちこち店舗見学にも回っているそう。

そんな社長の意を汲んで、最近では福岡の商工会議所でもマキイはどういうものが欲しいかわかってくれようになりました。先日も福岡商工会議所の紹介で高知県の食品展示会に招聘され商談してきました。直後に販売がスタートしたのは当サイトでも何度かご紹介したテレサファームの高知の特産ショウガの加工品でした。

 

取扱商品数に関し、1か月に1個でも動いた商品のリストを出したら、5000品目をゆうに超えていたというほど豊富な品数。アイテムとしては、おそらく6割くらいが食品だそう。料理や食べること大好きという牧井社長の味わってみたいという好奇心で、これからも品数は淘汰されながら、ますます増えていきそうです。

なお、マキイには博多の中心・天神のソラリアステーションビル2階に「エスピリー・マキイ 天神店」もあります。

 

スーパーマーケット マキイ
店舗情報

 

 

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