今まで、もやしにオーガニック認証がなかったこと、ご存知じでしたか? 今年1月2日施行された有機農産物のJAS規格改正で初めて、もやしやスプラウトがオーガニック認証の規格対象になりました。
これを受けて、もやしや各種スプラウト等の発芽野菜やチコリを生産する株式会社サラダコスモ(本社:岐阜県中津川市、代表:中田智洋)が2月24日、日本初、業界初の有機JAS認証を取得。今月、4月から全国のデパートやスーパーで発売が開始されました。
▲緑豆もやし(左)と大豆もやし(右)
有機もやしの製造条件とは
有機JAS規格でいう有機もやしとはどのようなものか、詳細な基準書の中からおもな規定をご紹介してみましょう。
種子:
1)遺伝子組み換え技術を用いない、有機栽培種の種を使うこと
2)発芽には次亜塩素酸水(食塩水を電気分解したものに限る)以外の資材は用いない
▲有機緑豆の畑
栽培場の栽培管理:
1)生産資材は水と培地で、培地は天然物質または化学処理を行っていない天然物質に由来するもので、かつ、肥料、農薬その他の資材が施されていないもの。もちろん遺伝子組み換え技術は用ない。
2)人工照明は用いない
3)農薬、洗浄剤、消毒剤その他の資材により汚染されないよう厳重に管理する、など
▲大豆もやし工場
有機もやしの製造過程
有機もやしは、緑豆や大豆を有機栽培して収穫した原料の種を、熱湯で殺菌し、ぬるま湯に4-6時間浸して芽出しし、栽培。発芽後1週間ほどで収穫して洗浄し、製品化します。
この過程を上記の有機JAS規定に準じて行い、有機JAS登録認定機関より認証されたものが有機もやしとして販売されるのです。
パッケージにも一工夫
今回、有機認定されたのは緑豆もやしと大豆もやしの2種。普通、スーパーなどでよく見かけるのは緑豆もやしで、大豆もやしは韓国料理のナムルに使われているような、豆の部分がしっかりついているものです。
栄養も食べごたえもある大豆もやしは加熱が必要なので、パッケージのまま電子レンジで加熱できる「電子レンジ加熱対応パッケージ」が採用されています。主婦としては使いやすくて助かりますよね。
▲レンジ使用可の表記(左)と袋の後が蒸気を逃すために開くようになっている(右)
無添加・無漂白もやしがサラダコスモのオーガニックもやしの原点
サラダコスモはもやしの有機JAS規格施行のはるか前、1999年から有機栽培種子を使用した緑豆もやしの生産をスタートさせていました(アメリカQAIの認証取得)。その翌年に有機JAS規格が制定。
それから16年たっても有機JASに対する認知度が低い現状に、サラダコスモの社長中田氏は、身近な野菜であるもやしに有機JASマークが付くことで、日本のオーガニックの周知に寄与できるのではと、密かに期待されているとか。オーガニックもやしが広まればいいですね!
▲3月25日、記者発表における中田智洋社長
商品名
オーガニック緑豆もやし・オーガニック大豆もやし
内容量:200g
価格:緑豆もやしは60円前後、大豆もやしは90円前後
(スーパーによって店頭価格は異なります)
株式会社サラダコスモ
1945年、中田商店として創業。1955年には清涼飲料水(ラムネ)製造の副業としてもやし生産開始。1973年に入社した中田智洋氏は無添加・無漂白もやしを開発し、1981年には緑豆もやしを日本で最初に製造した。1990年には社名をサラダコスモに変更し現在に至る。2006年からは教育型農業観光施設ちこり村も経営している。
公式サイト:http://www.saladcosmo.co.jp/
ちこり村:http://www.chicory.jp/