世界経済フォーラムによる男女の社会的・文化的な格差を比べた2019年の「ジェンダーギャップ指数」では、153カ国中日本は121位だそう。女性だからという理由で差別されることは論外ですが、政治分野での女性の割合は大幅に少ないのが現実。経済では、世界平均を少し下回るくらいでした。
それでも、まだ女性管理職は少なく男女間で賃金格差という課題もありそうです。
働き方改革にもつながると言われる女性の働き方。本当に好きなやりがいのある仕事をして、お金を稼ぎたいと思う気持ちに男女差はないはずです。
若き起業家を目指す女性たちも多い
女性自身が自分の将来の可能性や能力を低く見積もってしまう
「kanatta salon(カナッタ サロン)」は、SDGsのテーマに沿って「ジェンダー平等」と「女性が輝ける社会へ向けたコミュニティ」の実現を目的に、2020年より3ヶ月に1度開催されます。さまざまなゲストスピーカーを迎え、テーマを設けたトークイベントがメインコンテンツ。また、環境に優しいエシカルなライフスタイルを提案し「オーガニックの食材を使ったフードワークショップ」、「食育ソムリエによる温活セミナー」など、女性ならではのコンテンツが並びます。
サロンを運営する「株式会社Kanatta」代表取締役の井口恵さんは、結婚して子供ができても第一線で活躍したいという、自分と同じ思いを持った女性たちのため、女性が活躍できる社会にするために何ができるかを考えていたそう。
保育園の不足や微妙な男性優位の社会など基盤が整っていないことより、精神的な格差が大きいことに気づきました。女性自身が自分の将来の可能性や能力を低く見積もっている点が課題だと感じていると語っています。
「その根本は幼いころからの価値観が影響しているので、一概に教育の場面での課題はないとは言えませんが、まずは女性が社会に出てからも、もっと活躍したいと思えるようなきっかけを女性コミュニティ『kanatta』でつくっていければと思っています」
大手監査法人、ファッション業界を経て起業した井口恵さん。
「今後は、女性が輝ける社会にすることはもちろんですが、ジェンダー関係なく誰もが活躍できる社会の実現に貢献することが目標です。女性が働きやすい会社は、男性の離職率も低いという調査結果もあるんです。それぞれがお互いの良いところを活かし合いながらみんなが輝ける社会を実現すること、それが私のビジョンです」
いま、意識は大きく変わりつつあります。男だから女だから、またマイノリティ、障がい者という範疇を超えて、許容し尊重しながら、働くことができる社会の実現はもうすぐだと感じました。
執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |