瀬戸内海の東に位置する兵庫県淡路島。鳴門大橋と明石海峡大橋の2つの橋で四国と本州につながる立地の良さや自然の豊かさが魅力です。
自然循環型ガーデン「Awaji Nature Lab&Resort」は、パソナグループで農業支援を行う「パソナ農援隊」が淡路島にある約38,000㎡の広大な敷地に、自然と共生する持続可能なライフスタイルを体験できる施設として、2021年にオープン。“農・食・住”をテーマにしたアクティビティが体感できます。同年、同エリアに農家レストラン「陽・燦燦(はる・さんさん)」をオープンしました。
「陽・燦燦」は、自社農場の採れたて野菜や淡路島内生産者の食材を活用し、野菜が主役の料理を提供する畑の中のレストラン。野菜の収穫体験やさまざまなワークショップも開催されています。
淡路島の自然に溶け込む循環型農業と地産地消
野菜たっぷりの「陽・燦燦」セット
「陽・燦燦」の周りにある自社農場で行われている循環型農業。そこで栽培した野菜や、近隣の生産者が栽培した野菜をたっぷり食べることができます。
前菜には数十種類の野菜を特徴に合わせて調理し、野菜本来の美味しさを引き出したサラダ、旬の日替わり野菜が沢山入ったスープ。そして、野菜の端材は余すことなくメインのソースやデザートに取り入れています。
後継者がいない農地や耕作放棄地も開拓して栽培が行われています。地産地消は、生産者の顔が見えるだけでなく、栽培されている環境まで見えて安心。
選果の際に出た葉や根、皮、調理の際に出てしまう生ごみは、残渣として微生物の力を借り発酵堆肥に変えています。昨年は牛糞や馬糞に加え、魚のアラ、落ち葉、米糠、もみ殻、酵素カス、生ゴミ、稲藁カスをブレンドして発酵させた100%淡路島産の発酵堆肥が出来たそう。
茅葺屋根の農家レストラン「陽・燦燦」
レストランのデザインにもこだわりがあり、建物は「プリツカー賞」を受賞し、2024年には「高松宮殿下記念世界文化賞」も受賞した建築家の坂茂(ばん しげる)氏が設計。
紙管と呼ばれる紙を使用した支柱の中に木を通すハイブリッドな紙管構造のもとつくられています。正面は大きなガラス張りとなっており、目の前に広がる緑豊かな畑を一望できます。
※レストラン内の様子はTOP画像
自然と調和するレストランでは、ランチタイムにマリンバやトランペット、サックスなど、日替わりで生演奏も行われています。
新たなプロジェクト「自然循環型滞在施設」が本格スタート
滞在型施設予定 コンセプトデザイン・ランドスケープデザインデザイン:合同会社HOC
2025年夏頃には、農業に触れ合う人口を増やし、自然の恵みを取り入れた豊かな暮らしの実現を目指して、1棟貸しの農体験付き『自然循環型滞在施設』を11棟オープン予定。著名な建築家が手がけた1棟1棟デザインが異なる建物。自然に溶け込む天然素材と最新テクノロジーを融合させた施設で「農あるくらし」を満喫できます。
「Awaji Nature Lab & Resort」で大切にされている「農」。
「パソナ農援隊」は、人々の命と健康を支える第1次産業をより国民からリスペクトされる産業にすべく、「農業」と「食」を通じた人々の健康への貢献やウェルネスツーリズムの推進、地域における循環型社会のモデルづくりを通し、農業の価値を最大化すべく事業を展開しています。
建築家の芦澤竜一氏、大野宏氏と滋賀県立大学芦澤竜一研究室が、
土や草を用いて農的循環における建築というコンセプトのもとにデザイン
微生物など自然の力を活かした栽培方法と最先端の技術を活用したスマート農業を掛け合わせ、生産性向上と環境負荷を軽減した持続可能な農業の実現とともに、淡路島の新たな産地形成や特産品の開発が目標です。
多くの人達と共に新たな地域づくりやライフスタイルの提案を行っていくという「Awaji Nature Lab & Resort」。農地に触れ「Farm To Table」でもたらされる豊かさを感じるために訪れてみたいと思います。
自然循環型ガーデン「Awaji Nature Lab&Resort」 https://www.awaji-nlr.com/
農家レストラン「陽・燦燦」 https://harusansan.com/
住所 〒656-1726 兵庫県淡路市野島常盤字源八1510-4
一般社団法人OFJ オーガニックフォーラムジャパンの展示会
●オーガニックフードEXPO 2025
会期:4月15日(火)~17日(木)
会場:東京ビッグサイト 東4~6ホール
●オーガニックライフスタイルEXPO in 京都*
会期:5月23日(金)・24日(土)
会場:京都市勧業館 みやこメッセ 第2展示場
●オーガニックライフスタイルEXPO in 東京*
会期:10月2日(木)~4日(土)
会場:東京都立産業貿易センター 浜松町館
*出展社募集中です
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執筆者:奥田 景子 ライター(エシカルファッション、フェアトレ-ドなど)。福岡県生まれ。文化服装学院スタイリスト科卒業後スタイリスト。以降雑誌を中心にしたスタイリスト。社会的なことに興味を持ち、大学院で環境マネジメントを学ぶ。理学修士を取得。2013年から福岡を拠点に移してライターとして活動中。 |