ハーブ研究所スパールでは25年にわたり無農薬、自家栽培で育てた数百種類のハーブの研究を通して、人と自然に優しいオリジナルのナチュラル化粧品と食品を作ってきました。
もちろんすべての商品に合成界面活性剤、金属防止剤、合成香料、着色料、保存料などは一切使われていません。
‘ナチュラル’と‘ピュア’を掲げ、自然の摂理に従った、環境負荷ゼロに徹した製造方法はユニークで、長年育まれてきたノウハウが集約されています。
ハーブは何年も農薬を使っていない畑で丁寧に育てられ、除虫対策にはリス猿を使い、さらにノーワクチンの鳩の堆肥を使って栽培するといった徹底ぶり!
BioFachに国内企業として初めて化粧品の出展を果たしたハーブ研究所の山澤所長にお話を伺いました。
山澤さんは30年前、大型農業機械の技術者として働いていました。当時、集団農業が公の事業として推進され、各村落に共同体ができ、大型のトラクターや防除機が次々と導入されました。その機械操作の指導やメンテナンス作業に当たっていた山澤さんが、防除作業現場で目にした光景は彼のその後の生き方を変えることになりました。果樹の枝からポトポトと落ちる虫。水路に腹を見せて浮いている蛙を見たとき、何か底知れない恐怖を覚えたと振り返ります。
「このままでは日本の農業は取り返しのつかないことになる」。
そこで、それまで積み上げてきたノウハウを基に、膨大な勉強と研究を重ね、環境に負荷をかけないハーブ栽培を決意したのです。初めの数年は蝶やイモ虫、イナゴなどの大発生で収穫はゼロ。しかし農薬を使わない土壌は必ず回復するとの信念が次第に実り、害虫と益虫のバランス、そして自然のサイクルを長い年月をかけて取り戻すことができたのです。
ハーブ研究所の特筆すべきはまず食用鳩の堆肥を使った栽培です。有機堆肥は地中で微生物に分解され、大地に溶け込み、水に溶け、植物を育てるため、その成分は重要です。
そこで山澤さんが着目したのが鳩でした。通常、畜産の糞にはホルモン剤や抗生物質などが大量に含まれていますが、鳩は法律上ペット扱いになるため、ワクチンなどの規制が一切ないのです。こうしてノーワクチンの鳩の堆肥でのハーブ栽培が実現し、今では約四千羽の鳩を飼育するに至っています。
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