農業従事者の高齢化や担い手不足は全国的な課題、耕作放棄地は増加。このままではますます食料自給率は低下し、環境は荒れ果て、さらに里山におりてくる動物達も増えてしまいそう。未来への望みがないように感じてしまう日本の農業ですが、ワクワクするニュースが届きました。
「自産自消のできる社会をつくる」を理念に掲げる農業ソーシャルベンチャー「株式会社マイファーム」が、2025年8月に新たな農業協同組合「WE農業協同組合(通称:WE農協)」を、環境保全型農業に従事する生産者とともに設立の予定です。2025年6月27日には、設立総会が開催されました。
人と農をつなぐプロジェクトがたくさんあります
WE農協のポリシーは、「100年先も必要な農業を提案・実践する」。環境保全に取り組む農業者がつながる農業協同組合だそう。WとEには、we(私たち)、world(世界)、every(誰もが)、environment(環境)といった多様な意味が込められています。
「環境保全」という新しい時代に合った農協がWE農協です。WE農協は「専門農協」として、全国組織の「環境保全型農協」として横串となる農協を目指していくもの。WE農協は、アグリイノベーション大学校(AIC)の卒業生など、マイファームに関わる農業者を中心に構成され、販路提供、資材供給、経営指導などの実務支援を通じて、農業者が直面している課題を解消していく新しい仕組みです。
理念を共有するマイファームに関わる農業者達
また、「マイファーム」代表取締役の「西辻一真(にしつじ かずま)」さんは、「社会性は高いけれども、非収益的な領域を『コモンズ(共有資源)』と再定義し、共助・協同や結の仕組みを次世代につなぐことにしました。その具体策として立ち上げたのが、『環境保全×農業』に特化した新しい協同組合です。
歴史をたどると、従来の農協は、戦後の食糧不足対策として発足したんです。一方で、WE農協の目的は『食料の安定供給』ではなく、『人々の健康』。従来の農協法が制定されたのは1947年と非常に古く、今の時代に合わない部分も多いと感じています。今の時代にアップデートして、営利目的ではなく、あくまで『会員の利益を図るため』の挑戦です」と語っています。
農協とは、農業協同組合の略称。本来の農業協同組合は、農業者がお互いを助け合い、より良い農業経営や地域社会を築くことを目的としたものでした。
女性の農業従事者支援にも積極的に行われています
さらにWE農協は、人々の健康だけでなく「地球の健康」まで想定されています。そこには組合員の利益を図りながら、地球の健康にも貢献したいという思いがあります。いま地球温暖化の進行によって、災害リスクが上昇。年々厳しくなる地球環境に対応していかなくてはならいない状況です。
「環境保全型農業」と「コモンズ(共有資源)」をキーワードに、環境保全型コミュニティとして持続可能な農業と社会を創造していく。現在は、アグリイノベーション大学校卒業生を中心に組合員を募集していますが、今後はマイファームと関わりがあれば誰でも参加できるようになるそう。ただし、境保全型農業・環境に関心が薄い人は入会できないことになっています。
WE農協は、全国の志ある農業者や担い手候補を支えること、新たな価値観を創り出す動きも期待されます。この流れの循環は、業界全体の課題解決の一つになる可能性を秘めています。
※WE農協の設立に伴い、協同組合のリアルを知り、これからの関わり方を考える短期セミナー「協同組合に学ぶ生存戦略」も開講されています。
株式会社マイファーム https://myfarm.co.jp/
オーガニックライフスタイルEXPO in 東京
会期:10月2日(木)~4日(土)
会場:東京都立産業貿易センター 浜松町館
*出展社募集中です
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