マクロビオティックを未来につなげる思いを新たに-故久司道夫氏追悼式

昭和初期に桜沢如一が考案した食生活法「マクロビオティック(Macrobiotic)」。この方法をさらに発展させた「クシマクロビオティック」を確立し、自然食を通じて世界平和を希求され、2014年12月28日に永眠された久司道夫氏(享年89歳)の追悼式が4月27日に東京で開催されました。

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久司氏は1926年、和歌山県に生まれ、東京大学法学部在学中の戦中1945年、学徒動員され、その2ヶ月後終戦を迎えました。復学後、同大学院を修了して1949年渡米。九州陸軍部隊に駐屯中、原爆が投下された広島・長崎の悲劇をつぶさに見たこともあって、平和な「世界連邦」を作ろうという世界的な動きに心から賛同されたそうです。

渡米後の50年以上にわたる氏の活動は、アメリカにおける自然食やオーガニックフード運動を引き起こしただけでなく、今や「マクロビオティック」という言葉は世界的な広がりを見せ、世界的な「和食」への評価にもつながっています。また、ジョン・デンバーやジョン・レノン、グウィネス・パルトロウやマドンナなど、多くの世界的な著名人、有名人に食事指導をしてきた事でも知られています。

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▲久司氏の食と世界平和への思いが詰まった著作

追悼式は、GONでも何度かご紹介しています「ビオクラ食養本社」の後援で催行されました。株式会社ビオクラ食養本社は日本におけるクシマクロビオティックの中心拠点「クシ インスティテュート オブ ジャパン学校法人慧央健康文化学園 KIJ)」を運営。初心者から指導者を目指す人まで、レベルに応じて実践的に取り組むことができる学習プログラムをベースに、今後も久司道夫氏の志を受け継ぐクシマクロビオティックの普及拠点としての役割を担っていくことでしょう。

会場で挨拶された学校法人慧央健康文化学園 KIJ代表理事滝口友樹哉氏によると、久司氏とは系列会社アルソア本社株式会社の社員食堂プロデューサーの紹介により知り合ったとのこと。1998年5月、「ザ・ガーデン」は日本で初めて、一般利用も可能なオーガニック社員食堂として開設されました。

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久司氏の最後の来日となった昨年11月は、米寿をお祝いし、非常にお元気な様子で、3つの講座も受け持たれました。それは、いつものように氏特有のユーモアが溢れ、熱意と力がこもった楽しい講座だったとか。

日本の伝統食が西洋的食事へ変化したことからアレルギーや生理不順、低体温を訴える人が増えていることを憂うる久司氏に導いてもらったのは健康的な食の大切さだけではありません。渡米後、大変な苦労の中でも、常に未来を見ながら乗り越えてられてきた氏は、困難にぶつかっても志を見失わない信念を持つことの大切さもよく口にされたそうです。

滝口氏にとって久司氏との出会いは大きな意味を持ったものと推測されますが、16年ほどにわたるお付き合いの中で一番印象に残った言葉は、「世界平和のためには人の心が変わらなければならない。それには食を通してのみなし得る」ということでした。

式の最後に久司道夫氏からのビデオメッセージが流れました。ひとつひとつの言葉を噛みしめるように2度おっしゃいました:「愛とは、その人その人々の命と夢の糧となって死ぬこと」と。

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▲久司氏の遺影の前に、久司氏の食事指導を反映した、穀物、野菜、果物を織り交ぜた素敵なアレンジメントが供えられていました。

 

参考書籍:たま出版『地球と人類を救うマクロビオティック』

クシインスティテュートオブジャパン

 

参考記事:
マクロビオティック生活への気軽な一歩・・・・ビオクラスタイル
ワンコインでマクロビオティック体験!ビオクラ食養本社

 

 

 

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