伝統文化ともったいないを考える。廃棄される着物をアップサイクルした「キモノヤーン」

環境省によると、日本で廃棄される着物を含む衣類は年間50万トンを超えるそう。総絞りなど職人さんの高い技術を生かしたものでも捨てられしまう着物。

 そこで注目したのが、2018年に「株式会社リクラ」から立ち上げられた「キモノヤーン」。「キモノヤーン」は、捨てられる着物からつくられた幅20mmのハンドメイド素材。着物を洗浄し、解き、裁断し、つなぎ合わせて糸(ヤーン)にアップサイクル。編み物の糸として使うことを想定して、「キモノヤーン=着物の糸」と名付けられました。

キモノヤーン 20m玉:4,500円(税込)
かぎ針10号で編みやすい太さ

「キモノヤーン」を立ち上げたのは、藤枝瀬里子(ふじえだ せりこ)さん。実家にあった着物を「もったいない」から使ってみてはと勧められ、趣味の裂き編みを始めたことがきっかけになったそう。「着物が編み物、新しい素材! 楽しいかも!」とワクワクした気持ちでスタート。

一方で「リサイクルショップでも値がつかないものも多く、困っている方がたくさんいること。日々たくさんの着られなくなった着物が処分されていることを知りました」と語ります。

トートバッグは河村美琴さんによるレシピ

リボンのような形状のヤーンは、処分される着物のみが使われています。ヤーンにするときに着物地が簡単に割けない、古い着物特有の臭いに悩まされたなどのご苦労もあったそう。

試行錯誤して完成したというヤーンから、バッグやアクセサリーなど魅力的なアイテムが生まれます。イマジネーション次第で、使い方は何通りも!

甘すぎずないスタイリッシュなバッグ

「キモノヤーン」に触れることは、着物自体の魅力を知ることにつながります。幅20mmの中に、着物の色、素材、柄など、たくさんの技術とこだわりが詰まっているからです。

「着物のときには、取り立てて魅力を感じなかった地味な着物や、無地だと思っていた一枚の着物が、キモノヤーンにすると可愛らしく輝きを増すところを5年間で何度も見てきました」

アクセサリーとしてもバッグやTシャツに付けてもキュートな「布花」

破れがあったりシミだらけだったり。それでもヤーンにして編むとまったく問題なく、逆に個性のように感じるとか。ひとつとして同じものがないところも大きな魅力。完成したバッグや小物を大事に使うことで、一段と愛着が増していきそう!

ニュアンスのある色合いを組み合わせて

日本には、大切な日に着物を着る伝統文化があります。商品はもちろんのこと、衰退していく伝統を守ること、職人さんの仕事を守り伝えていくことにつながる「キモノヤーン」を本当に素敵だと思いました。

 ※編み物のレシピ本をつくるクラウドファンディングにも挑戦中(9月30日まで)
https://camp-fire.jp/projects/view/693830?list=projects_fresh

 
キモノヤーン https://kimonoyarn-shop.com/

 企業情報

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